Shinji Kitamura
[東京 14日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の141円半ばで取引されている。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて、米国の利下げが従来想定より前倒しされる可能性が高まったとの見方が広がり、ドルが広範に売られた。
海外市場で145円半ばから142円前半まで売られたドルは、東京市場でも売りが優勢となった。アジア時間の取引で、米10年債利回りが4カ月ぶりに4%台を割り込み、2年債利回りも半年ぶり水準までさらに低下したことなどが、手掛かりとなった。
ドルは対円で一時140.95円まで下げ幅を拡大し、7月31日以来4カ月半ぶり安値を更新した。さらに、対豪ドルでも0.67ドル前半、対ニュージーランドドルで0.62ドル半ばとともに7月以来の安値を付け、対ユーロでも1.09ドル前半と半月ぶり安値を更新する全面安となった。
FOMC声明とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容は、事前予想より「ハト派的な内容」(みずほ証券チーフ為替ストラテジストの⼭本雅⽂氏)との受け止めが大勢だった。「ドルは10月以降の下落基調が強まった形。しばらくこの流れが続くだろう」(山本氏)との指摘が相次いだ。
市場では、米国の利下げ予想時期の前倒しや、来年の利下げ予想回数を増やす動きも増えている。これまで第3・四半期を含めて2度の利下げを想定していたゴールドマン・サックスは、3月と5月、6月と3度の連続利下げへ変更した。「その後は四半期ごとに0.25%利下げし、3.25─3.5%に到達したところで終了する」(エコノミストのデビッド・メリクル氏)という。
バークレイズ銀行も、来年12月の1度のみだった利下げ予想を大きく変更。6月から引き下げを開始し、その後1会合おきに、あと2度の利下げを行うとした。パウエル議長が会見で、市場の利下げ期待を押し戻さなかったことに着目したとしている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 141.42/141.43 1.0892/1.0896 154.05/154.09
午前9時現在 142.79/142.80 1.0880/1.0884 155.39/155.40
NY午後5時 142.88/142.89 1.0873/1.0877 155.37/155.41