[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場でドルが上昇し、一時2週間ぶり高値を付けた。ドルのショートポジションを減らし利益を確定する動きが続いているほか、米連邦準備理事会(FRB)が今年約6回の利下げを実施するという観測に懐疑的な見方が出ていることが背景。
日本の金融市場が祝日で休場だったことや、精彩に欠く米指標を受け、取引は比較的低調だった。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.2%高の102.45。一時2週間ぶりの高値となる102.61を付けた。
FRBが3日公表した2023年12月12─13日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、当局者はインフレ「上振れリスク」が減退したという見解を確認し、「過度に制約的な」金融政策が経済に与える影響への懸念も示した。さらに「ほぼ全ての参加者が、2024年末までにフェデラルファンド(FF)金利の目標レンジ引き下げが適切であるとの見解を示した」とした。
マネックスUSAの外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「ドルを押し上げている最大の要因は、24年のFRBの政策に対する期待が全般的に再評価されていることだ」とし、ここ数日で年内に最大6回の利下げが実施されるという観測が一部後退していることを指摘した。
3日発表された米指標では、昨年12月のISM製造業景気指数は47.4と、拡大・縮小の分岐点となる50を1年2カ月連続で下回った。また、11月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が6万2000件減の879万件と、3カ月連続で減少した。
ISM指標を受け、ドルは上げ幅を縮小する場面もあった。
ユーロ/ドルは0.2%安の1.0924ドル。一時1.0893ドルと、昨年12月半ば以来の安値に沈んだ。
ドル/円は0.9%高の143.31円。一時2週間ぶりの高値となる143.73円を付けたほか、1日としては10月以来の大幅な伸びを記録する見通し。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約5%下落。前日は、米規制当局が現物ビットコイン上場投資信託(ETF)を近く承認するとの楽観的な見方に支援され、一時、22年4月以来初めて4万5000ドルを上回っていた。
ドル/円 NY終値 143.29/143.30
始値 142.93
高値 143.73
安値 142.80
ユーロ/ドル NY終値 1.0921/1.0922
始値 1.0917
高値 1.0938
安値 1.0894
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