[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが円とユーロに対し下落した。強弱まちまちだった先週発表の経済指標が消化される中、連邦準備理事会(FRB)が利下げに着手する時期を見極めようと、週内に発表されるインフレ指標が注目されている。
ワシントンのマネックスUSAの外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「5日に発表された12月の雇用統計は強弱まちまちだった。ヘッドラインの数字は間違いなく良好だったが、中身を見ると労働市場の弱さを示す多くの数字も見受けられた」と指摘。市場では11日に発表される12月の消費者物価指数(CPI)が注目されている。
米国の物価情勢を巡っては、ニューヨーク連銀がこの日に発表した12月の消費者調査で、1年先のインフレ期待が3%と、2021年1月以来約3年ぶりの低水準となった。
市場ではFRBは3月に利下げに着手すると予想されているが、その確率はこのところ低下。CMEフェドウオッチによると、短期金融市場が織り込む3月に利下げが実施される確率は64%と、1週間前の89%から低下した。
アトランタ地区連銀のボスティック総裁はこの日、物価上昇によるリスクと雇用の伸び悩みによるリスクとの間で経済全体のバランスが取れてきたとはいえ、インフレ抑制を確実に継続させるため、引き締めの姿勢を崩していないと述べている。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.23%安の102.21。
ユーロ/ドルは0.19%高の1.09595ドル。
ドル/円は0.35%安の144.10円。
市場関係者は、能登半島地震の発生を受け日銀の利上げの時期が後ずれする可能性があると指摘。ナットウエスト・マーケッツの経済・市場戦略のグローバル責任者、ジョン・ブリッグス氏は「地震が発生したことで、月内に予想されていた日銀の政策微調整が後ずれする可能性がある」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは7.1%高の4万7065ドルと、22年4月以来の高値を更新した。
ドル/円 NY終値 144.22/144.24
始値 144.58
高値 144.70
安値 143.67
ユーロ/ドル NY終値 1.0949/1.0953
始値 1.0936
高値 1.0978
安値 1.0938