[ニューヨーク/ロンドン 22日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが2週連続で上昇する勢い。今週は日銀のマイナス金利解除が円相場をやや下支えした。スイス国立銀行(中央銀行)の予想外の利下げを受け、米連邦準備理事会(FRB)や他の中銀との金利政策のギャップが強調された。
今週はスイス中銀や発展途上国の中銀が利下げを決定、または利下げの意向を示唆。これは世界的な金融政策の転換を示すもので、欧州中央銀行(ECB)は6月の利下げが見込まれている。
ドルは円を除く主要10カ国(G10)通貨に対して上昇。米経済が比較的堅調なほか、高金利を背景にキャリー・トレードが続いているという。一方、欧州の主要中銀として初となるスイス中銀による利下げが決定的な変化を示したとみられている。
スコシアバンクのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「今週のスイス中銀の利下げはややサプライズだった」と指摘。「シグナルを発するという観点から、これが欧州の他の中銀にとってどのような意味を持つのか市場は推測している」と述べた。
ポンド/ドルは0.5%下落し、1.258ドルと1カ月ぶり安値を付けた。イングランド銀行(英中央銀行)は21日、政策金利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置いた。前回会合まで利上げを主張していた2人の委員が据え置きに転じ、ベイリー総裁は英国経済が利下げを開始する「正しい方向に動いている」と指摘した。
ステート・ストリートのシニアグローバルマクロストラテジスト、マービン・ロー氏は、スイス中銀の利下げと英中銀の早期利下げの示唆により「ドルに対する見方が改善している」とし、「状況は落ち着いているが、ドルはやや強くなっている」とした。
2023年のG10通貨で最もパフォーマンスが良かったスイスフランは今週、対ドルで約1.7%下落。年初来では約6.8%下落している。
ドル指数は0.45%上昇した。
一方、ドル/円は0.12%安の151.44円。週間では約1.5%上昇した。
ユーロ/円は今週、165.37円と08年以来の高値を記録。豪ドル/円は14年以降で初めて100円を突破した。
ドル高を受けてユーロ/ドルは3週間ぶり安値を付けた。終盤は0.5%安の1.0806ドル。
スポットの元は1ドル=7.229元。一方、オフショア元に対するドルの上昇は1年ぶりの大きさとなる見込みで、0.77%高の7.2769元となった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは週間で約6.7%安と昨年8月以降で最大の下げとなる見込み。ただ取引は24日まで行われる。
この日の終盤は2.74%安の6万3674.36ドル。先週付けた終値ベースの過去最高値7万4000ドルからは約13%下落した。
ドル/円 NY終値 151.42/151.45
始値 151.60
高値 151.64
安値 151.01
ユーロ/ドル NY終値 1.0805/1.0809
始値 1.0816
高値 1.0831
安値 1.0803