日経平均<.N225> 日経平均先物12月限<0#2JNI:>
終値 8773.68 +168.06 終値 8770 +180
寄り付き 8733.54 寄り付き 8790
安値/高値 8725.62─8806.44 安値/高値 8750─8810
東証出来高(万株) 156644 出来高(単位) 32671
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[東京 11日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は3日続伸した。独仏首脳がユ
ーロ圏の債務危機解決に向けて新たな対策を打ち出す方針を示したことを受け欧米市場で
過度な不安が後退したことから、連休明けの東京市場は買い優勢。金融株やハイテク株を
はじめ幅広く買い戻された。一方、引き続き海外にらみの展開とされ、上値では利益確定
売りや戻り売りに押さえられたが、日経平均は上値抵抗線として意識されていた25日移
動平均線(8645円34銭=11日)を上回った。
東証1部騰落数は値上がり1272銘柄に対し値下がり315銘柄、変わらずが72銘
柄。東証1部の売買代金は1兆1028億円となった。
ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は9日夜、ユーロ圏の債務危機解決
に向けた新たな対策を10月末までに打ち出す方針を明らかにした。また、経営不安が広
がっていた仏・ベルギー系の金融サービスグループ、デクシア
ー政府が国営化に動いたことから、ユーロ圏債務危機が解決に向かうとの楽観的な見方を
強めた。こうした動きを背景に、10日の米国市場でナスダック総合指数<.IXIC>が
3.5%高となるなど大幅高となった。
株式市場では過度な不安が後退し、連休明けの東京市場は戻りを試す展開となった。世
界的に金融株が上昇したことを背景に、日本のメガバンク株にも買い戻しが入り、みずほ
フィナンシャルグループ<8411.T>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井
住友フィナンシャルグループ<8316.T>などが上昇。また、ソニー<6758.T>やホンダ
<7267.T>など主力輸出株や、コマツ<6301.T>、ファナック<6954.T>など中国関連株も堅調
に推移し、幅広く物色された。
日経平均は前営業日比で一時200円超上昇、9月16日以来となる8800円台を回
復する場面があった。欧州系証券の株式トレーダーは、主力株買いの動きを指摘するが
「売りと買いでは売りの規模の方が大きい」と話しており、堅調地合いが続くもののスロ
バキア議会採決などを見極めたいとの慎重姿勢が根強い。市場では「日経平均の8700
─8800円水準では利益確定売りや戻り売りが出やすく伸び悩んでいる」(明和証券・
シニアマーケットアナリストの矢野正義氏)との声が聞かれた。
一方、テクニカルでは上値抵抗線となっていた25日移動平均線を窓を空けて上抜いた
うえ、9月30日の直近高値8756円00銭も上回り、強い上昇シグナルとの見方が出
ている。立花証券・執行役員の平野憲一氏は「不安感がくすぶるなかで、徐々に相場の転
換期を迎えつつあるのではないか。目先的には9月16日の高値8864円16銭が次の
ターゲットとなり、節目を突破するごとに市場センチメントも改善するだろう」と指摘し
ていた。
個別銘柄では、ニコン<7731.T>が後場に入り下げに転じた。11日午後2時、タイの豪
雨による洪水で同社のデジタル一眼レフカメラ生産工場が10月6日から操業を停止して
いると発表したことを受け、業績などへの影響が懸念されている。被害の詳細は分かって
おらず、復旧の時期も未定としている。
(ロイターニュース 杉山容俊)