週明け17日の香港市場は値上がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比108.81ポイント(0.40%)高の27227.16ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が8.65ポイント(0.08%)高の10428.52ポイントとそろって4日ぶりに反発した。
売買代金は669億200万香港ドルに縮小している(14日は849億6300万香港ドル)。
前週の下げを受け、買い戻しが先行する流れ。
中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に関し、警戒感がやや薄らいだこともプラスだ。
香港政府は改正案審議の先送りを発表。
過去最大の市民デモが16日に実施されたものの、目先の警戒感はやや後退したとの見方が一部で出ている。
「米国・香港政策法」の改正に対する不安も和らぐ。
ナンシー・ペロシ米下院議長は12日、条例改正が可決されれば、香港に付与している貿易上の特権的な待遇を見直す考えを表明していた。
もっとも、上値は限定的。
米中貿易問題の不透明感がくすぶっている。
米国は追加関税を設定されていない中国製品の残りすべて(3000億米ドル超相当)に追加関税を課す政策に関し、公聴会を17日から開く。
早ければ7月2日にも実施される可能性があるという。
ハンセン指数の構成銘柄では、香港系不動産が高い。
九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.0%、信和置業(83/HK)が2.4%、新世界発展(17/HK)が2.1%ずつ上昇した。
生命保険業務アジア大手のAIAグループ(1299/HK)も1.9%高と上げが目立っている。
時価総額上位の本土系金融株も買われた。
医薬品セクターも物色される。
上海復星医薬集団(2196/HK)が2.8%高、広州白雲山医薬集団(874/HK)が2.6%高、四環医薬HD集団(460/HK)が2.5%高、中国生物製薬(1177/HK)が1.7%高、石薬集団(1093/HK)が1.0%高と値を上げた。
医薬品各社ではこのところ、ジェネリックを含む新薬の上市が相次いでいる。
また、上海復星医薬集団に関しては、子会社が開発中の乳がん治療薬について、米食品医薬品局(FDA)から迅速医薬品開発プログラムの認可を受けたことも刺激材料となった。
半面、この日から本土株指数に組み入れられた銘柄群はさえない。
安踏体育用品(2020/HK)が3.3%、龍湖集団HD(960/HK)が2.8%、碧桂園HD(2007/HK)が2.1%、華潤ビール(291/HK)が1.4%ずつ値を下げた。
一方、本土市場は小反発。
主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.20%高の2887.62ポイントで取引を終えた。
医薬品株が高い。
金融株、資源・素材株、空運株、消費関連株の一角も買われた。
半面、ハイテク株は安い。
不動産株、軍需関連株も下落した。
【亜州IR】