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NYの視点:ウォール街は米中貿易協定を比較的楽観視

発行済 2019-05-07 07:38
更新済 2019-05-07 07:40
© Reuters. NYの視点:ウォール街は米中貿易協定を比較的楽観視

米国のトランプ大統領は全中国輸入品に対して25%の関税を課すと警告した。

これを受け、中国政府は8日から開催を予定していた協議に出席するための代表団派遣を中止することを検討していると報じられた。

先週までは、協議が順調に進んでおり今週末の協議で合意成立も期待されていた。

他の報道によると中国政府は依然代表団の派遣を計画しているが、交渉を指揮している劉副首相が含まれるかどうかはまだわからない。

警告はトランプ大統領が交渉を有利に進めるための手段に過ぎないとの見方も少なくない。

動向は流動的で、特に今後1,2日の動きに焦点が集まっている。

ただ、大手金融機関のストラティジストは比較的楽観的。

ゴールドマンサックスのアナリストは、米国政府が10日までに対中輸入品2000億ドルに対して関税を引き上げることはかろうじて回避できる可能性が強いとの考えを示した。

また、シテイ銀のアナリストも貿易摩擦の激化を予想していないとしている。

UBSは「警告のタイミングからして、貿易交渉のレバレッジを最大限に引き上げる手段だ」と受け止めている。

ウォールストリートの期待通りに、関税の引き上げがかろうじて回避できた場合は、リスクオンの動きが再開することになる。

■米中貿易協議、米金融機関各社の見方*ゴールドマンサックス「トランプ大統領の計画で、米中貿易協議が合意確率は低下した。

しかし、金曜までに関税が引き上げられる確率は40%と見る」*モルガンスタンレー「解決していない問題、現存している関税の解除のタイミング、合意実施を確認していくメカニズムの詳細、助成金など、に関して合意するスピードを上げる圧力をかける手段である可能性もある」「深刻化は一時的。

報道を受けた株式相場の急落で、両国はお互い譲歩する姿勢を強める可能性がある」*UBS「貿易協議に対して、トランプ大統領が態度を硬化した理由は定かではない。

警告のタイミングからして最終貿易合意にいたるレバレッジを高めるため」*バンク・オブ・アメリカ「合意成立まで、変動の激しい動きが予想される」*JPモルガン「トランプ大統領の警告は中国による再交渉の試みに対するいら立ちであるである可能性。

中国が米国の主要な問題に関する要求を拒絶した可能性もある」「短期的な貿易交渉に関する見通しはいくらか不透明になった。

今後数日間の動きに注目。

特に副首相が訪米を中止を検討していると報じられており、かなりのマイナス材料となる」「一方で、トランプ大統領の警告は、交渉テクニックの一環とも考えられる」「短期的な貿易交渉の見通しはリスクイベントとなる」

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