■要約
エノモト (T:6928)は、大手電子部品メーカーで、リードフレームやコネクタ用部品といった精密部品を製造販売している。
顧客のニーズに応じた高機能なカスタマイズ品の開発や微細加工の精密プレス金型に強みがある。
また、日本、中国、フィリピンの3ヶ国で事業展開しており、どの生産拠点においてもほぼ同様の製品を同様の高品質で一貫生産することができる。
顧客は家電や自動車、IT機器の内部で使われる半導体パッケージやコネクタなどの電子部品メーカーで、製品群別売上高構成比はIC・トランジスタ用リードフレーム35.6%、オプト用リードフレーム13.8%、コネクタ用部品47.4%、その他3.2%となっている(2018年3月期)。
なお、用途別の売上高構成比は車載向け32.7%、スマートフォン向け30.8%、民生向け24.8%、その他11.6%である(2018年3月期)。
リーマンショックなどの影響から2013年3月期に当期純損失となったのを機に構造改革をスタートさせた。
老朽化したシンガポール工場の解散や不採算の事業所・工場の閉鎖などを行う一方、東京証券取引所1部上場を目指して経営の盤石化を図った。
ガバナンス面での構造改革では、執行役員制や監査等委員会制を導入して意思決定のスピードアップやリスク管理体制の強化を進めた。
さらに、無理・無駄をなくすワークフローの改善や新規事業も開発なども進めた。
2017年に東京証券取引所第2部へ上場、2018年には東京証券取引所第1部へ指定された。
人材採用や外部プロジェクトへの参画などにおいて、既に東証1部上場企業としてのステイタスの恩恵を受け始めたもようである。
2019年3月期第2四半期の業績は、売上高は10,150百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益543百万円(同32.5%減)となった。
売上高は、車載向け部品が引き続き堅調、競技場や広告向け大型ディスプレイも好調だった。
しかし、第1四半期においてスマートフォン向けコネクタの出荷開始が遅れ、第2四半期に入っても生産量を取り戻せなかった。
同社は製造工程の自動化や効率化を進めていたが、スマートフォンの量産効果が比較的大きかったことから、一時的に減収減益の要因となった。
2019年3月期業績見通しについて、同社は売上高20,500百万円(前期比7.3%減)、営業利益1,250百万円(同25.4%減)を見込んでいる。
期初の見通しに対して売上高で1,000百万円、営業利益で450百万円の下方修正となっている。
理由は、スマートフォン向けコネクタの出荷開始時期が遅れた影響を下期も考慮したためである。
ただし、第3四半期に入ってスマートフォン向け売上は好調さを取り戻しているようだ。
中期的に同社は、IC・トランジスタ用リードフレームでIoT関連需要の増加や自動運転技術などを背景に、オプト用リードフレームの市場では2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、拡大する需要を取り込んでいく考えである。
コネクタ用部品では、スマートフォン向けが買い替え需要へシフトすることで伸びが落ち着くと見られている。
しかし、車載用が順調に拡大する一方、新たな需要としてスマートウォッチなどウェアラブル向けが期待されており、実用としては最小クラスの微細コネクタの供給を開始した。
超精密化などへの技術的要求は今後ますます高まることが予想されることから、同社の中期的な成長余地は拡大しそうである。
■Key Points
・カスタマイズや微細化に強みの電子部品メーカー
・東証1部上場を目指して経営の盤石化を図った
・技術的要求が高まるほどに中期的な成長余地は拡大
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
エノモト (T:6928)は、大手電子部品メーカーで、リードフレームやコネクタ用部品といった精密部品を製造販売している。
顧客のニーズに応じた高機能なカスタマイズ品の開発や微細加工の精密プレス金型に強みがある。
また、日本、中国、フィリピンの3ヶ国で事業展開しており、どの生産拠点においてもほぼ同様の製品を同様の高品質で一貫生産することができる。
顧客は家電や自動車、IT機器の内部で使われる半導体パッケージやコネクタなどの電子部品メーカーで、製品群別売上高構成比はIC・トランジスタ用リードフレーム35.6%、オプト用リードフレーム13.8%、コネクタ用部品47.4%、その他3.2%となっている(2018年3月期)。
なお、用途別の売上高構成比は車載向け32.7%、スマートフォン向け30.8%、民生向け24.8%、その他11.6%である(2018年3月期)。
リーマンショックなどの影響から2013年3月期に当期純損失となったのを機に構造改革をスタートさせた。
老朽化したシンガポール工場の解散や不採算の事業所・工場の閉鎖などを行う一方、東京証券取引所1部上場を目指して経営の盤石化を図った。
ガバナンス面での構造改革では、執行役員制や監査等委員会制を導入して意思決定のスピードアップやリスク管理体制の強化を進めた。
さらに、無理・無駄をなくすワークフローの改善や新規事業も開発なども進めた。
2017年に東京証券取引所第2部へ上場、2018年には東京証券取引所第1部へ指定された。
人材採用や外部プロジェクトへの参画などにおいて、既に東証1部上場企業としてのステイタスの恩恵を受け始めたもようである。
2019年3月期第2四半期の業績は、売上高は10,150百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益543百万円(同32.5%減)となった。
売上高は、車載向け部品が引き続き堅調、競技場や広告向け大型ディスプレイも好調だった。
しかし、第1四半期においてスマートフォン向けコネクタの出荷開始が遅れ、第2四半期に入っても生産量を取り戻せなかった。
同社は製造工程の自動化や効率化を進めていたが、スマートフォンの量産効果が比較的大きかったことから、一時的に減収減益の要因となった。
2019年3月期業績見通しについて、同社は売上高20,500百万円(前期比7.3%減)、営業利益1,250百万円(同25.4%減)を見込んでいる。
期初の見通しに対して売上高で1,000百万円、営業利益で450百万円の下方修正となっている。
理由は、スマートフォン向けコネクタの出荷開始時期が遅れた影響を下期も考慮したためである。
ただし、第3四半期に入ってスマートフォン向け売上は好調さを取り戻しているようだ。
中期的に同社は、IC・トランジスタ用リードフレームでIoT関連需要の増加や自動運転技術などを背景に、オプト用リードフレームの市場では2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、拡大する需要を取り込んでいく考えである。
コネクタ用部品では、スマートフォン向けが買い替え需要へシフトすることで伸びが落ち着くと見られている。
しかし、車載用が順調に拡大する一方、新たな需要としてスマートウォッチなどウェアラブル向けが期待されており、実用としては最小クラスの微細コネクタの供給を開始した。
超精密化などへの技術的要求は今後ますます高まることが予想されることから、同社の中期的な成長余地は拡大しそうである。
■Key Points
・カスタマイズや微細化に強みの電子部品メーカー
・東証1部上場を目指して経営の盤石化を図った
・技術的要求が高まるほどに中期的な成長余地は拡大
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)