[ニューヨーク 16日 ロイター] 17日からの週の米国株式市場は、銀行の決算によって同セクターをめぐる楽観的な見方が一段と強まる可能性がある。
JPモルガン・チェース
米株式市場ではこのところ金融株が上昇を主導しており、S&P総合500種<.SPX>は前週末14日までで7週続伸となった。
企業決算の見通しが一段の株高への期待感を支えているが、銀行株はこれまでの上昇でセクター指数が既に上値抵抗線付近まで達していることから、今週は上げが一服する可能性もある。
今週は17日がキング牧師誕生日のため休場。
JPモルガンの第4・四半期決算は利益と収入がいずれもアナリスト予想を上回り、最高経営責任者(CEO)は、当局の承認が得られ次第、配当引き上げを実施する可能性があると述べた。
アナリストはこれについて、他の銀行にもポジティブな材料だとし、LPLフィナンシャルのバート・ホワイト最高投資責任者は「今回の決算シーズンは金融株が最も好調となる可能性が大いにある」との見方を示した。
トムソン・ロイターのデータによると、銀行株は第4・四半期の利益の伸びが前年比で他を大きく上回る可能性があるが、比較対象となる前年同期の水準が低かったことが主な要因。
S&P500構成企業全体としては、第4・四半期の利益は前年比32%増加すると予想されている。
今週は、銀行株のほかに米ゼネラル・エレクトリック(GE)
前出のホワイト氏によると、投資家の間では銀行の配当再開に関するニュースへの関心が強く、いったん再開されれば同セクターへの投資が拡大する見通しだ。
週内に決算を発表する他の大手行はモルガン・スタンレー
ただ、銀行セクターは、最近の大幅上昇を踏まえると、一段の上昇余地が限られている可能性がある。フィラデルフィアKBW銀行株指数<.BKX>は9月末以降18%上昇して54.70をつけており、57─59の強い抵抗性に近付いている。
S&P500が7週続伸していることも上昇一服の可能性を示唆している、とアナリストは指摘する。ロイターのデータによると、同指数が8週以上連続で上昇したのは2003年11月から04年1月までの9週間が直近だ。S&P500は9月末以降13.3%上昇している。