ドル/円
正午現在 84.20/25 1.2802/06 107.80/87
午前9時現在 84.16/18 1.2819/21 107.89/92
LDN15時現在 84.22/23 1.2877/79 108.40/43
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[東京 7日 ロイター] 正午のドル/円は、ロンドン市場の午後3時時点とほぼ同
水準の84円前半で推移している。海外紙報道をきっかけに朝方ユーロ売りが強まり、ユ
ーロ/円の売りが波及してドル/円も84.09円まで売られたが、売り一巡後はドル/
円も下げ渋った。ただ、ドル/円の買い材料もないことから戻りの上値も限られ、84円
前半のレンジ取引になった。
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が独自の分析結果として伝えたと
ころによると、欧州の主要銀行を対象に最近実施された健全性審査(ストレステスト)で
一部銀行はソブリン債の保有高を実態よりも少なく申告していた。
これを受けて朝方にユーロ売りが加速、対ドルで1.2789ドルときょうの高値から
90ポイント近く売られ、対円でも107.65円まで下落して、ともに雇用統計後の上
昇分を吐き出した。「雇用統計後の上昇局面でも(これまで重かった)1.29ドル水準
で押さえ込まれたため、報道をきっかけにポジション調整の売りが出た。米国勢が休場の
米国時間と東京時間のはざまで取引の薄い時間帯だったため、値幅が広がった可能性があ
る」(みずほ証券投資情報部マネージャー、鈴木健吾氏)という。
朝方の売りが一巡すると、ユーロはいったん下げ渋って1.28ドルを回復した。しか
し、上値は重く、なかなか1.28ドル台に定着しきれない。市場では「ストレステスト
の厳格さはは当初から疑問があった。ただ、欧州勢や休場明けの米国勢の反応は確認した
い」(大手銀行)との声が出ている。
一方、ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏は、不透明感の強いなかで
機関投資家はポジションを傾けることに慎重になっていると指摘。「ユーロのポジション
はほぼ中立。ここからユーロショートを目指すとは思えない。今はポジションを新たに構
築する局面ではなく、ポジションを手仕舞う局面だ」(富田氏)としている。
ユーロ/円の売りがドル/円に波及、ドルは一時84.09円まで下落したが、その後
はユーロ/ドルのドル買いも波及してドル/円をサポート。ドル/円はじわりと
84.27円まで値を戻したが「6日に割り込んだ84.30円付近が重い」(国内金融
機関)ことから上値は限られた。
<米景気対策にらんで米国株に懸念も>
オバマ米大統領は6日に500億ドル規模の6カ年インフラ整備計画を打ち出すなど、
景気対策の内容が徐々に明らかになってきている。しかし、為替市場の値動きへの影響は
限定的で、ドル/円の買いにはつながっていない。
市場では「対策は小粒。米国勢の反応を確認する必要はあるが、中間選挙を控えている
にもかかわらず、この程度かというイメージがある」(大手銀行)、「全部が議会を通っ
て実施できるか不透明」(国内金融機関)などの声が聞かれる。
米国株は前週末に127ドル上昇。終値ベースでは8月10日以来の高値をつけて3連
休に入った。米雇用統計が予想を上回ったこともあるが「米景気対策への期待感が含まれ
ていた可能性もある。きょうの米国株に失望売りが出ないかどうかを確認したい」(大手
銀行)との声が上がっている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)