[29日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は29日、投機的な動きを背景に急激に為替が変動が変動した場合は落ち着かせる対応が必要になると述べ、投機筋の動きをけん制した。訪問中のフィリピン・マニラで記者団に語った。
アジア開発銀行(ADB)の総会に出席していた鈴木氏は「投機的な動きを背景にした急激な動きがあるときは断固としてこれをならしていく。そういう営みが必要になる」と語った。為替の推移は「市場において決定されるべきもの」との認識を改めて示す一方、「安定的なのが重要であって、急激な、しかも一方的なものは望ましくない」と述べた。
さらに22日の円買い介入を念頭に「市場において、投機筋の動きによって本来あるべき姿が変えられるということに対する是正は重要。急激な為替変動があると企業も、家計も困る」とし、今後とも「為替の動向には十分注意しながら、必要な措置をとる」とも語った。ADB総会では「為替は議題に上がっていない」とした。
債務問題を抱えるスリランカのウィクラマシンハ大統領兼財務相と現地で会談したことも明らかにし、国際通貨基金(IMF)プログラムに基づき改革を進めることに加え、「十分な情報提供を行うことや、中国、インドを含むすべての公的債権国が一堂に会して議論することが重要と伝えた」と述べた。
鈴木財務相は「会談は短時間だったが、率直に言うべきことは互いに言った。有意義だった」とし、「スリランカは当事者。中国やインドへの働き掛けも、まずは自ら取り組まなければならない。当事者としての行動は必要と伝えた」とした。