日経平均<.N225>
前場終値 8618.96 +96.94
寄り付き 8593.22
安値/高値 8589.36─8646.77
東証出来高(万株) 74368
--------------------------------------------------------------------------------
[東京 7日 ロイター] 前場の東京株式市場で日経平均は続伸した。欧米の株式市
場で堅調地合いが続いたことを背景に、東京市場も買い先行。証券や海運などこれまで売
り込まれていたセクターが買い戻され、日経平均は8600円を回復した。前日同様に買
い戻しが中心。ただ、上値では戻り売りが出やすいため、前場中盤以降は伸び悩んだ。ま
た、きょうの米雇用統計の発表を控え動きにくく、引けにかけては一進一退の動きとなっ
た。
東証1部騰落数は、値上がり1204銘柄に対し値下がり306銘柄、変わらずが
145銘柄だった。東証1部売買代金は4515億円。
6日の欧米株式市場は堅調だった。米国株式市場は3営業日続伸。ユーロ圏の銀行に対
する支援策が追い風となり、金融危機の脅威が後退するとの期待が高まった。欧州連合
(EU)による域内銀行の資本増強計画を好感し、銀行株が上昇をけん引した。また、欧
州中央銀行(ECB)はこの日の理事会で1年物資金供給オペおよびカバードボンド買い
入れの再開を決定した。こうした対応を好感し、東京市場も買いが先行。
前場は5日の取引同様、これまで売り込まれていた銘柄の買い戻しが中心だった。ファ
ナック<6954.T>が象徴的な銘柄となっている。同社株は8月1日に上場来高値1万
5420円を付けた後、海外情勢の悪化を背景に下落トレンドとなり、10月4日には年
初来安値となる9990円まで売り込まれた。足元では欧米株式市場が堅調で、全般的な
買い戻しの中でファナックも一時1万1000円に上昇した。
日経平均は一時8600円半ばに上昇したが、その後は戻り売りに押され、上げ幅を縮
小した。市場では「米雇用統計や連休を前にポジションは取りづらく、少し上がるところ
では戻り売りが出やすい。資本注入といった期待だけでは買いは継続しない」(みずほ証
券・エクイティ調査部シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)との声が出ていた。
引けにかけては今晩の米雇用統計の発表を控えて伸び悩んだ。大和証券・株式ストラテ
ジストの野間口毅氏は目先について11月決算のヘッジファンドによる換金売りが45日
前ルールで来週にも出尽くす可能性を指摘する。また、「次の焦点は欧州金融安定ファシ
リティー(EFSF)拡充策がスロバキアで承認されるかどうかだ」とし、スロバキアの
対応次第で、日経平均は上値を試す展開になるとの見方を示す。
個別銘柄では、ソニー<6758.T>の下げが目立った。合弁解消報道や投資判断引き下げを
受け売り先行後に下げ幅を広げた。スウェーデンの通信機器大手エリクソン
のスマートフォン(多機能携帯電話)合弁事業を解消し、エリクソンから株式を引き取る
方向で交渉している。 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が6日、関係筋
の話として報じた。両社は2001年、折半出資で合弁会社ソニー・エリクソンを設立し
ている。
(ロイターニュース 吉池 威)