[日経平均株価・TOPIX(表)]日経平均;23304.23;+68.76TOPIX;1633.67;+8.81[後場の投資戦略] 10日のNYダウは405ドル安と、連休明けの8日(632ドル安)に続きやや大きな下げ幅だった。
ただ、日経平均は米株安の流れを引き継いで3ケタの下落からスタートしたものの、すかさずプラスに切り返す展開となった。
SQ値を上回ってからは同水準が下値をサポートする形でまずまず堅調に推移している。
売買代金上位を見るとやや方向感に乏しいが、ソフトバンクGや任天堂といった値がさ株の一角が底堅く推移している点には安心感がある。
高値更新している日本電産や楽天の堅調ぶり、また25日移動平均線を割り込んだエムスリーの軟調ぶりを見ると、値動きに着目した物色が中心となっている印象もある。
また、来週初にかけて5-7月期決算発表のピークを迎えるため、これを手掛かりとした物色が活発のようだ。
インターネットサービスやゲーム関連でポジティブな決算と株価反応が見られる一方、すかいらーくのような外食企業の苦戦や事前の期待が高かった神戸物産の材料出尽くし的な動きは、今後に向けてもやや気掛かりとなる。
ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円あまり。
メジャーSQの割にはやや低調といったところか。
新興市場ではマザーズ指数が3日ぶりに小幅反発。
日足チャートでは25日移動平均線が下値を支える一方、5日移動平均線に上値を抑えられ、煮詰まり感が台頭してきた。
ここから物色動向次第で上下に大きく振れる可能性があるが、株式分割実施を発表したセルソース (T:4880)がストップ高を付けているあたり、やはり個人投資家の新興株に対する物色意欲は根強いものと感じられる。
「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)はNYダウが大幅下落した8日に31.46(+0.71)となり、その後9日28.81(-2.65)、10日29.71(+0.90)と推移している。
NYダウの変動幅が大きい割にVIXは比較的落ち着いており、9日の当欄で指摘したとおり、投資家は米国株が売られる場面でも「健全な調整の範囲内」と冷静に受け止めていることが窺える。
今のところパニック的な売りが広がる展開は想定しにくい。
また、先物手口を見てもSQ前のロールオーバー(限月入れ替え)の動きから分かりづらいが、9日に日経平均が23000円を割り込んだ場面では個人投資家が日経レバETF (T:1570)の買いを入れた可能性がある。
日経レバETFの純資産総額の推移を見ると9日に増えており、翌10日の後場にかけての日経平均の強い動きも日経レバETFに買いが入った際の特徴的な動きだ。
日銀による上場投資信託(ETF)買い入れとともに、今後もこうした動きが下値の支えとなってきそうだ。
もちろん、国内外の政治・経済情勢に不透明感があるなかで、積極的に上値を追う動きは乏しいことが本日の値動きからも窺える。
繰り返しになるが、目先の日経平均は大幅な調整にこそ至らないものの、23000円を挟んだもみ合いになると予想したい。
(小林大純)