[ニューヨーク 14日 ロイター] 15日から始まる週の米国株式市場では、経済回復への期待が偽りでないか見極めるため、5月の住宅着工件数や消費者物価指数(CPI)をはじめとする経済指標に注目が集まる見通し。
経済回復への期待が高まっている一方で、労働市場やガソリン価格と借り入れコストの上昇をめぐる懸念が出ており、過去数週間の市場の動向を踏まえると、株式市場は狭いレンジでの取引にとどまる可能性がある。
DAデービッドソンの市場ストラテジスト、フレッド・ディクソン氏は「市場はゆっくりとした上向きの取引レンジとなっている。投資家は、経済の新芽の成長が進んでいるか、それともさらなる水を求めて活気を失っているかを見極めようとしている」と語った。
S&P総合500種<.SPX>は、3月9日につけた終値ベースでの12年ぶり安値から39.86%上昇しているが、投資家は、経済の回復が十分に強くなり、企業利益の回復が維持されることが株式市場のより大幅な上昇を支援するとして、そのより明確なシグナルを求めている。
今週、投資家は住宅着工件数のほか、CPI、卸売物価指数(PPI)にも注目する見通し。5月の鉱工業生産、設備稼働率、新規失業保険週間申請件数なども注目されよう。
原油価格は1バレル=70ドルを上回る水準に回復しており、インフレ懸念が、連邦準備理事会(FRB)のリセッション(景気後退)脱却に向けた努力を妨げ、金利を押し上げ、回復を遅らせる可能性がある。
バーナンキFRB議長は17日、金融リテラシーに関する会合で講演する。
今週は16日にPPI、17日にCPIの発表が予定されており、投資家はインフレに関するより明確な材料が得られる見通し。16日には住宅着工件数と鉱工業生産も発表される。
ロイター調査によると、5月のPPI総合指数は前月比0.6%上昇、食品・エネルギー価格を除いたコア指数は同0.1%上昇すると予想されている。4月は総合指数が0.3%上昇、コア指数が0.1%上昇だった。
CPI総合指数は前月比0.3%上昇、コア指数は0.1%上昇する見通し。4月の総合指数は変わらず、コア指数は0.3%上昇だった。
5月の住宅着工件数は季節調整済みで年率49万戸と、前月の45万8000戸から増加、許可件数は50万戸と、前月の49万8000戸から増加するとみられている。
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