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UPDATE1: 東京外為市場・15時=ドル89円後半でレンジ取引、豪ドル/米ドルは15カ月ぶり高値

発行済 2009-11-12 16:08

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 89.84/87  1.4997/99  134.66/78

正午現在   89.84/88  1.5001/05  134.76/87

午前9時現在 89.93/96  1.4981/84  134.70/77

NY17時現在 89.84/89  1.4977/80  134.58/70

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 [東京 12日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時か

らほぼ変わらず、89円後半で推移している。動意は乏しく、東京時間を通じて89円後

半での狭いレンジ取引が続いた。一方、豪雇用統計の上振れを受けて豪ドル/米ドルが

15カ月ぶり高値を更新し、アジア通貨も堅調となるなど引き続きリスク選好の動きは続

いたが、勢いはそれほど強くないという。

 東京時間のドル/円は、89.68─89.99円の31銭のレンジ。とりわけ午後は

値動きが鈍り、正午から午後3時までの値幅は89.74─89.86円の12銭にとど

まった。

 「時間帯によってはそれなりに取引はあったが、値動きにつながらない。幅広いドル売

りの流れはドル/円にも反映されているが、一方で円に魅力がないためクロス円がしっか

りで、ドル/円を下支えてしまう」(大手銀行)という。

 また、ソシエテジェネラル銀行の外国為替本部長、斎藤裕司氏は、米債償還に関連して

90.00─91.50円まで多くのオプションが並んでいると指摘、「これを意識して

動きにくくなっているが、償還をにらんだドル売りは断続的に出ているようだ」とみてい

る。

 米緩和政策長期化をにらんだドル売りの流れは続いており、きょうは豪ドル/米ドルが

15カ月ぶり高値を更新。オーストラリア連邦統計局が朝方発表した10月の雇用統計で

就業者数が事前予想の前月比1万人減に対して同2万4500人の増加と上振れたことが

きっかけ。増加は2カ月連続で「12月の利上げは0.5%になるとの見方も出てきたよ

うだ」(国内銀行)という。 これを受けて、豪ドル/米ドルは「マド」を開けて急伸。

0.9370米ドルをつけて15カ月ぶり高値を更新した。

 ただ、朝方の上昇のあとはじりじりと利食い売りに押されており、「アグレッシブさは

感じない」(大手銀行)という。

 一方、豪ドルとともに米ドル売りの受け皿になってきたユーロは10月26日につけた

年初来高値(1.5064ドル)をクリアできずに上値が重くなっている。

 「連日史上最高値を更新している金の動向などを考えれば、リスク選好の動きはまだ続

きそうだ。ただ、ユーロ/ドルのチャートは気にかかる。きょう海外時間に大きく調整す

るようならダブル・トップを形成しかねず、上値を取る上では正念場だ」(国内銀行)と

の声が聞かれる。

 <中国為替政策変更期待がアジア通貨高後押し、APECも中国包囲網に参加>

 市場では「ドル売りは主要通貨に対してより、アジアなど新興国通貨に対して強まって

いる」(大手銀行)との声も聞かれた。きょうも韓国ウォンなどが堅調で、韓国為

替当局はドル買い/ウォン売り介入を行ったもよう。

 韓国銀行(中央銀行)は政策金利を事前予想通り過去最低の2.00%に

据え置いたほか、当分の間緩和政策を維持する姿勢を示し、李成太総裁は「金利政策を決

定する上で、不安定な為替相場が主な懸念要因」との考えを示した。

 ウォンをはじめとするきょうのアジア通貨高/ドル安の背景には、中国の為替政策変更

への期待があるという。中国人民銀行(中央銀行)は11日に発表した貨幣政策報告で、

資本フローの変化や主要通貨の変動に基づいて人民元為替相場メカニズムを改善する方針

を示し、2008年半ばから続く実質的なドルペッグ制を変更する可能性を示唆した。

 人民銀行は2005年7月に人民元を切り上げて以来、貨幣政策報告で人民元相場につ

いて「妥当で均衡の取れた水準で基本的な安定を維持する」との考えを繰り返し表明して

きたが、今回の報告にはその表現がなく、人民元の相場形成に関する基準が変更された可

能性がある。

 市場では「人民元切り上げに向けて動きだすサイン。オバマ大統領の訪中を控え、主体

性を重視する中国は米国に言われてからだと逆に為替政策を変更できなくなるため、先手

を打った」(大和総研・為替ストラテジストの亀岡裕次氏)、「すぐに人民元の水準が大

きく上昇することはないにしても、介入の手を緩める程度の変化はあり得る。こうした期

待がアジア通貨高/ドル安の流れを強めている」(大手銀行)との見方が出ている。

 一方、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の財務相会議は12日の声明で、経済フ

ァンダメンタルズを反映した市場主導の為替相場を求める見通し。声明草案は「経済ファ

ンダメンタルズを反映した市場主導の為替相場の下で、物価の安定に沿った金融政策を実

施する」としており、市場では「実質的にドルと人民元をペッグしている中国を意識した

もの。米国を中心とする中国包囲網がAPECに広がった」(外銀)と受け止められてい

る。

 APECのスタンスは対ドルでアジア通貨高を強める方向に働く可能性があるが、「ア

ジア域内取引を考えれば、人民元高は他のアジアの国の輸出を有利にする。APECとし

ても、市場主導の為替相場形成に前向きになっているようだ」(大和総研、亀岡氏)との

指摘があった。

 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net

E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)

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