東京株式市場・前場＝急反落、イラク情勢悪化で一時2カ月ぶり安値水準に

［東京　８日　ロイター］ -
日経平均 .N225
前場終値 14776.88 -455.49
寄り付き 15063.73
安値／高値 14753.84─15074.32

東証出来高(万株) 143747
東証売買代金(億円) 12839.93

前場の東京株式市場で日経平均は急反落。ウクライナやイラク情勢などの地政学リス
クの拡大を警戒した売りが強まった。下落幅は４５０円を超え、一時１万４７００円台半
ばまで落ち込んだ。取引時間中としては５月３０日以来、２カ月超ぶりの安値水準を付け
た。

日経平均は前日比４５５円４９銭安の１万４７７６円８８銭で午前の取引を終えた。
前日の米国株式市場が反落したことなどを引き継ぎ、寄り付きからほぼ全面安の展開にな
った。また、オバマ米大統領がイラクにいる米国人を守るため、限定的な空爆の実施を承
認したと表明したことを受け、市場はリスク回避の動きを強め、下げ幅を拡大した。

市場では「地政学リスクの高まりから米長期金利も低下しており、リスクオフの動き
となっている。有事となれば、どうしても円が買われやすく、円高が日本株の重しになっ
ている」（ばんせい証券ストラテジストの廣重勝彦氏）との声が出ている。

個別銘柄ではジャパンディスプレイ 6740.T が前日比約１０％下落。７日に発表した
２０１４年４─６月期の連結業績で最終赤字となったことなどが嫌気された。また、エボ
ラ出血熱の治療薬の報道が材料視された富士フイルムホールディングス 4901.T は、朝方
に買いを集めたものの下げに転じた。一方、格安スマートフォンの発売を発表したピーシ
ーデポコーポレーション 7618.T は６．４％上昇した。

東証１部の騰落数は、値上がり１３１銘柄に対し、値下がりが１６２９銘柄、変わら
ずが５７銘柄だった。
　

(長田善行)
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