この記事は15日に配信されたものです。
1323GMT 13日終盤
ユーロ/ドル
ドル/円
ユーロ/円
14日終値 前営業日終値
株 FT100 5262.85(‐170.88) 5433.73
クセトラDAX 6056.71(‐195.26) 6251.97
金 現物午後値決め 1236.50 1237.50
先物 現物利回り
3カ月物ユーロ(6月限) 99.215 (‐0.040) 0.205(0.209)
独連邦債2年物 0.485(0.534)
独連邦債10年物(6月限) 126.71 (+0.85) 2.850(2.931)
独連邦債30年物 3.626(3.740)
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<為替> ユーロが一時1.25ドルを下回り、1年半ぶりの安値を更新した。欧州
各国が緊縮財政措置を導入することで足取りが弱い経済成長が損なわれるとの懸念がユ
ーロを圧迫している。
<株式> ロンドン株式市場は急反落。ユーロ圏の債務問題が経済回復を削ぐとの懸念
からドルや円などの安全資産が選好されるなか、鉱山・
商品(コモディティ)・銀行株などに売りが出た。
FT100種総合株価指数<.FTSE>は週間ベースでは2.7%上昇した。前週は7.7
%下落していた。
欧州当局は今週、ギリシャの債務危機への対応やスペイン・ポルトガルが同様の事態に
陥った場合に備えて大規模な緊急支援対策を発表したが、これら各国政府が緊縮財政措置
の痛みに耐えられるかについて、投資家の懐疑的な見方は消えていない。
銀行株が下落した。ユーロ圏債務へのエクスポージャーが懸念されているほか、英国の
新政権が導入する可能性のある、銀行税など同セクターへの対策をめぐり憶測が広がった。
HSBC
ロイズ・バンキング・グループ
オブ・スコットランド(RBS)
商品関連株が売られた。ユーロ圏の成長をめぐる不透明性から需要見通しが悪化したこ
とで、米原油先物
石油株ではBP
2.4―3.8%値を下げた。
鉱山株ではエクストラータ
リオ・ティント
欧州株式市場は急反落。ユーロ圏の緊縮財政措置が成長を圧迫するとの懸念が高まって
いる。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は35.64ポイント(3.39%)
安の1014.25。一時、1010.85に下落した。ただ、週間ベースでは約4.8
%高となった。1兆ドル規模の緊急支援措置を受け、10日に急反発したことが背景。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は130.13ポイント(4.71%)
安の2633.92。
銀行株の下げがきつく、STOXX欧州600銀行株指数<.SX7P>は5.2%下落した。
バンコ・サンタンデール
クレディ・アグリコル
8.6%安。両社は欧州南部へのエクスポージャーが著しく大きい。
トムソン・ロイターのデータによると、英FT100種総合株価指数<.FTSE>、独クセ
トラDAX指数<.DAX>、仏CAC40種平均指数<.FCHI>、スペインのIBEX<.IBEX>、
イタリアのMIB<.FTMIB>のこの日の下落で、時価総額にして約1600億ユーロ(19
70億ドル)が失われた。これは2009年のチェコの国内総生産(GDP)に相当する。
年初からの下落率は、ギリシャのATG指数<.ATG>が24.5%、IBEX<.IBEX>が
22%、ポルトガルのPSI20<.PSI20>が17.2%、MIB<.FTMIB>が15%、CA
C40種平均指数<.FCHI>が10%。
<ユーロ圏債券> 独連邦債が上昇。2年物利回りは過去最低水準付近に低下した。緊
縮財政措置が経済成長を阻害するとの懸念が株価を圧迫し、安全資産としての債券への逃
避買いが膨らんだ。
独連邦債先物6月限
の高値となる126.72をつけた。
独連邦債2年物利回り
%。一時0.459%まで低下し、前週つけた過去最低の0.45%に迫った。
同10年物利回り
これを受け2・10年債の利回り格差は236bpと、前日つけた過去最高水準の約2
42bpから縮小した。
また、ロイターのデータによると、独連邦債2年物スワップ金利スプレッド
欧州中央銀行(ECB)によるユーロ圏周辺国債の買い入れが見込まれているにもかか
わらず、周辺国債は独連邦債をアンダーパフォーム。独連邦債との利回り格差は拡大し、
保証コストも上昇した。
RIAキャピタルマーケッツのストラテジスト、ニック・スタメンコビッチ氏は「現時
点で市場を動かしているのは(経済の)ファンダメンタルズではない。不安感が高リスク
資産を圧迫している」とし、「株式市場は緊縮財政措置が成長に与える悪影響への懸念に
圧迫されている。これはとりわけ米債や独連邦債など主要国の政府債にとっては好材料だ」
との見方を示した。
イタリアの金融筋はロイターに対し、欧州の中央銀行は「おおよそ一貫した」方法でユ
ーロ圏の国債買い入れを継続すると述べた。
トレーダーによると、この日は中銀による新たな国債買い入れの兆候はなかった。ただ、
ある債券トレーダーは「週末に向けて中銀による債券買い入れが次第に減少したようだ
が、スプレッドが拡大すれば中銀は再び買い入れを行うだろう」と述べた。
10年物のギリシャ国債と独連邦債の利回り格差
p拡大し535bp。イタリア国債
iTraxx・SOVX西欧指数は110bpから121bpに上昇した。指数の上昇
はリスク警戒感の高まりを、低下は警戒感の後退を示す。
サルコジ仏大統領がギリシャ支援を協議した前週7日の欧州首脳会合で、欧州全体が支
援に関わらなければフランスはユーロ圏から離脱すると発言したとスペイン紙エルパイス
が報じたことも、市場の不安定要因になったとトレーダーは指摘した。
[東京 15日 ロイター]