欧州市場サマリー（17日）

　　　　　　　　　　　　　　 1345GMT　　　　 14日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.2394 　　　　　1.2360

ドル／円 　　　　 92.470 　　　　　92.460

ユーロ／円 114.60 　　　　　 114.41

　　　　　　　　　　　　　　17日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5262.54（‐ 0.31） 5262.85

　　クセトラＤＡＸ　　　　　6066.92（＋10.21） 6056.71

金　現物午後値決め 1236.00 1236.50

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(６月限)　 99.230 (＋0.015)　　0.211(0.205)

独連邦債２年物 0.529(0.485)

独連邦債１０年物(６月限) 126.48 (‐0.05) 2.859(2.850)

独連邦債３０年物 　 3.629(3.626)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ユーロが対ドルで上昇している。一時４年ぶり安値をつけていたが、３月

の対米証券投資が１０５億ドルの買い越しとなったことを受けてリスク許容度が高まっ

たほか、ショートをカバーする動きが広がった。

　序盤の取引で、ユーロ／ドルは０．４％高の１．２４０５ドル付近となった。

　＜株式＞　ロンドン株式市場はほぼ変わらず。当初は値上がりしていたものの、欧州

債務をめぐる懸念などが圧迫要因となり値を消す展開となった。鉱山株や旅行関連銘柄

などに売りが出る一方、通信のボーダフォンは上昇した。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は前週末に３．１％急落していた。

　相場の動きについて、ソシエテ・ジェネラルの英国エコノミスト、ブライアン・ヒリア

ード氏は「欧州の支援策に対する市場の信頼度に関連している」と述べた。

　金属価格の値下がりで鉱山株が安い。リオ・ティント、フレスニロ、

カザキミス、エクストラータ、アントファガスタが１．４─

２．８％安。

　金融株では、バークレイズ、ロイズ・バンキング・グループ、ロイヤ

ル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）が０．７─１．４％安。同３行に

ついて、ＪＰモルガンは、引き当てをめぐる潜在的な変更により最も影響を受けるとの見

方を示した。

　一方、スタンダード・チャータード（スタンチャート）は４．３％高。ケニア

事業の第１・四半期は約４０％の増益となった。

　オズボーン英財務相は１７日、新政府が来週２４日に２０１０年の歳出を６０億ポンド

（８７億５０００万ドル）削減する計画の概要を発表することを明らかにした。６月２２

日の予算案に先駆けて発表する。

　アイスランドの火山活動による火山灰の影響が懸念されるなか、旅行関連もさえず。Ｔ

ＵＩトラベルは２．９％安、トマス・クックは３．２％安。ストをめぐる

交渉が続くブリティッシュ・エアウェイズは１．２％下落した。

　こうしたなか、通信のボーダフォンは逆行高で１．４％高。同社が出資する南

アフリカのボーダコムは、通期決算が２２％の増益となり、増配計画を明らかに

した。

　欧州株式市場は主要株価指数が続落して終了した。米ドルの上昇を受け金属価格が下落

したことで鉱山関連株が売られた。一方、食品や製薬会社など一部ディフェンシブ銘柄に

は買いが入った。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は一時１０２５．７８まで上昇したも

のの、１．１９ポイント（０．１２％）安の１０１３．０６で取引を終えた。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>終値は１．４２ポイント（０．０５％）

高の２６３５．３４。

　鉱山関連株では、アングロ・アメリカン、ユーラシアン・ナチュラル・リソー

シズ、カザキミス、ＢＨＰビリトン、エクストラータ、

リオ・ティントが０．４─３％安。銅価格が５％を超えて下落したこと、その他

の金属価格も急落したことが響いた。

　一方、欧州の輸出業者がユーロの下落見通しから恩恵を受けるとのアナリストのコメン

トにも支援され、食品・製薬株に買いが入った。アソシエーテッド・ブリティッシュ・フ

ーズ、ユニリーバ、バイエル、サノフィ・アベンティス

は０．１─０．９％上昇して終了した。

　ルランド・リサーチのストラテジスト、ヘイノ・ルランド氏は「ユーロの下落で製品や

サービスの（国際）競争力が増すため、単一通貨の下落で恩恵を受ける部門があることは

明白だ」と述べた。

　ユーロ圏諸国が実施する緊縮財政措置により欧州の経済成長が損なわれるとの懸念から、

ユーロは対米ドルで４年ぶりの安値に下落している。

　個別銘柄では、英ヘッジファンドのマン・グループが９％と急落し、株価は過

去１年以上で最低水準をつけた。同業のＧＬＧパートナーズを１６億ドルで買収

することで合意したと発表したことが嫌気された。

　また英保険大手プルーデンシャルは１．５％安。米アメリカン・インターナシ

ョナル・グループ（ＡＩＧ）傘下のアジア保険部門買収に向け、延期していた株

主割当増資を実施すると発表したことが背景。

　一方、独インフィニオンは０．９％上昇して終了。英フィナンシャル・タイ

ムズ紙ドイツ版が、同社が米インテルに無線半導体部門を売却することで交渉し

ていると報じたことが材料となった。

　ポルトガルのエネルギー会社、ガルプ・エナジアは３．１％高。賃上げをめ

ぐる労使問題で２カ所の製油所で１８日から４日間にわたり計画されていたストが回避さ

れたことを好感した。

　＜ユーロ圏債券＞　ドイツ連邦債が小幅高。ユーロ圏の債務危機がぜい弱な景気回復を

阻害する可能性があるとの懸念から、安全資産としての独連邦債の買いが続いている。

　一部ユーロ圏周辺国債と独連邦債の利回り格差は若干拡大したものの、中央銀行による

周辺国債券買い入れが支えとなり、拡大は限定的となった。

　商いは全般的に薄かった。独連邦債先物の出来高は６０万枚をやや上回る水準にとどま

り、１日平均の１００万枚を割り込んだ。

　独連邦債先物６月限限の精算値は８ティック高の１２６．６０。

　独連邦債２年物利回りは０．５０２％と横ばい。一時１４日につけた過去最

低水準となる約０．４５％に迫った。

　同１０年物利回りは０．５ベーシスポイント（ｂｐ）低下し２．８５６％。

　１０年物ギリシャ国債と独連邦債の利回り格差は若干拡大し、５５０ｂｐ。１４日終値

は５４０ｂｐ付近だった。

　同スペイン国債と独連邦債の利回り格差も３ｂｐ拡大し１１７ｂｐ。　

　ギリシャとポルトガルは週内に多額の国債償還期限を迎える。債務返済を順調に乗り切

ることができれば、ソブリンスプレッドの安定化につながると予想されている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１８日　ロイター］