欧州市場サマリー（20日）

　　　　　　　　　　　　　　 1334GMT 　　　　 19日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.2872 　　　　　 1.2940

ドル／円 　　　　 86.910 　　　　　86.730

ユーロ／円 111.86 　　　　　 112.22

　　　　　　　　　　　　　　20日終値 　 　 　前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5139.46（‐ 8.82） 　5148.28

　　クセトラＤＡＸ　　　　　5967.49（‐41.62） 　 6009.11

金　現物午後値決め 1183.00 　　 1181.00 　

　　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(９月限)　 98.980 (＋0.030)　　0.360(0.400)

独連邦債２年物 0.779(0.836)

独連邦債１０年物(９月限) 128.82 (＋0.09) 2.648(2.659)

独連邦債３０年物 　 3.335(3.354)

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　＜為替＞　ユーロが対ドルで下落した。株安を受けリスク選好度が低下するなか、欧州

の銀行ストレステスト（健全性審査）の結果公表を２３日に控え、利食い売りがみられた。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は５営業日連続で続落して終了した。この日発表された米

企業決算が思わしくなかったことで市場心理が悪化、金属価格上昇を受けて買われた鉱山

関連株の上げを相殺した。

　この日大きく下げたのは、通信大手ケーブル・アンド・ワイヤレス・ワールドワイド

（Ｃ＆ＷＷ）。同社は英政府が６月に発表した緊急予算案を受け、公的部門との

取引が急速に落ち込んだと発表。１７．４％下落して引けた。同様に政府の財政削減策に

よる影響が懸念されたＢＴグループも売られ、３．２％安で引けた。

　ハーグレーブス・ランドソンのアナリスト、キース・ボウマン氏は「米ゴールドマン・

サックスの決算は予想の下限だった。また、米ジョンソン・エンド・ジョンソン

（Ｊ＆Ｊ）が発表した決算では売上高が予想を下回った」と指摘。「これらが市

場心理の悪化につながった」と述べた。　

　鉱山株は上昇。リオ・ティント、ベダンタ・リソーシズ、エクストラー

タが３．７─４．１％高。

　銀行株も上昇した。ロイヤル・バンク・オブ・スコットラ ンド（ＲＢＳ）は

１．５％、ロイズ・バンキング・グループは１％、それぞれ上げた。ただバーク

レイズは０．２％下落した。

　欧州株式市場はＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>が小反発し、最近の下

落基調から切り返した。金属価格の上昇を手がかりに、鉱山株が取引終盤にかけて上昇し、

さえない内容となった米企業決算の影響を払しょくした。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は０．３８ポイント（０．０４％）高

の１００６．６４。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は７．３２ポイント（０．２８％）安の

２６２７．２８。

　サンタンデールをはじめ、スペインの銘柄が買われた。国債入札を順調にこな

したことで、スペインの資金調達能力をめぐる懸念が和らいだ。

　サンタンデールは２．１％高、ＢＢＶＡとバンキンテルはともに

１．９％高。スペインのＩＢＥＸ指数<.IBEX>は１．３％高で終了した。

　スペイン財務省はこの日、１２・１８カ月物短期証券（ＴＢ）入札を実施し、約６０億

ユーロ（７７億５０００万ドル）を調達した。同国のサルガド経済・財務相は、２３日の

欧州の銀行ストレステスト（健全性審査）の結果発表に先駆け、信頼感が回復している兆

候が示された、と語った。

　そうしたなか、銀行株は強弱まちまちで取引を終えた。欧州ストレステストの結果発表

を間近に控えていることや、米ゴールドマン・サックスの減益決算を受け、慎重な

取引が続いた。

　ＢＮＰパリバは０．４％安。半面、ＵＢＳは０．１％高、 ドイツ

銀行は０．７％高。　

　鉱山株は高い。需要見通しが高まるなか、金属価格の上昇に伴い買われた。エクストラ

ータは３．７％高、リオ・ティントは４．１％高。

　個別銘柄ではノキアが２．２％高。同社が、カラスブオ最高経営責任者（Ｃ

ＥＯ）の後任探しに着手したとのニュースを好感した。

　＜ユーロ圏債券＞　ユーロ周辺国債が上昇し、独連邦債をアウトパフォームした。スペ

インやアイルランドなどの国債入札が順調に消化されたことを受け、センチメントが改善

した。

　独連邦債はプラス圏を維持。ゴールドマン・サックスなどのさえない米企業決算

を受けて米株式が売られ、安全資産としての債券需要が強まった。

　１０年物のスペイン国債利回りは約１０ベーシスポイント（ｂｐ）低下

し４．２５７％。独連邦債との利回り格差は１６０ｂｐと、５月３０日以

来の水準に縮小した。

　ＢＮＰパリバのストラテジスト、パトリック・ジャック氏は「周辺国の回復にはぜい弱

さが残る。ハンガリーなどの東欧の情勢を考慮すると、欧州経済通貨同盟（ＥＭＵ）の外

から問題が生じてくる可能性がある」と警告した。

　ハンガリーは、同国への緊急融資の前提となる財政再建計画をめぐる国際通貨基金（Ｉ

ＭＦ）などとの協議で、見解が異なる財政改革や銀行税について譲歩しない姿勢を示して

おり、協議の中断から２００億ユーロ相当の支援の残り資金を活用できない状態にある。

　ハンガリーはこの日、３５０億フォリント（１億５７００万ドル）規模の３カ月物短期

国債の入札を行ったが、発行規模は当初予定の４５０億フォリントから引き下げられた。

　独連邦債先物９月限の清算値は１７ティック高の１２８．９０。一時

１２８．６１まで下げた後、値を戻した。ただ、値動きは前日のレンジ（１２８．５８─

１２９．５４）内にとどまっており、方向性を欠く展開となった。

　独連邦債２年物利回りは５．４ｂｐ低下し０．７８１％。同１０年物

利回りも１．７ｂｐ低下し２．６６４％。

　２・１０年債の利回り格差は短期債が選好されたことを背景に３．８ｂｐ拡大し、

１８６ｂｐとなった。

　アイルランドは目標レンジの上限となる１５億ユーロの国債入札を実施した。１０年物

のアイルランド国債と独連邦債の利回り格差は前日の２９１

ｂｐ付近から２８４ｂｐと、ほぼ１週間ぶり水準に縮小した。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　２１日　ロイター］