[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は28日、一段の貿易制限や第三国に対する原油価格の上限設定を含む新たな対ロシア制裁案を提示した。
フォンデアライエン委員長は記者団に対し「われわれは見せかけの『住民投票』も、ウクライナのいかなる領土併合も認めない。事態を一段とエスカレーションさせたことに対し、ロシア政府に代償を払わせると決意している」とし、「欧州委は新たな対ロシア制裁を提案する」と述べた。
フォンデアライエン氏によると、新たな輸入禁止措置でロシアが被る損失は70億ユーロに上る。また、戦争遂行のための重要技術をロシアが入手できないようにするために輸出禁止品目を拡大するほか、欧州企業によるロシアへのサービス提供を禁じ、欧州の市民がロシア国営企業の役員に就任することを禁止する。
このほか、ロシアの国防部門に関連する個人のほか、ウクライナ東・南部で実施されたロシア編入の是非を問う「住民投票」に関与した個人らを制裁対象とする。
欧州委はこの日に開かれるEU非公式会合で新制裁案の詳細を提示。加盟27カ国は30日に1回目の討議を行う。
ロシアによる予備役の部分動員やウクライナの領土併合に向けた動きなどをを受けEUは迅速に対応する必要があるが、加盟国間に見解の相違があるため、実施には時間がかかる可能性がある。