[ベリンツォナ(スイス) 9日 ロイター] - 国際サッカー連盟(FIFA)会長を務めたゼップ・ブラッター氏は9日、スイスで開かれた公判で、副会長だったミシェル・プラティニ氏へ支払った金銭は不正なものではなく、「紳士協定」に基づいたものだと語った。
ブラッター氏とプラティニ氏は、2011年に200万スイスフラン(約2億7400万円)の授受を不正に行ったとしてスイス当局から起訴された。両者は容疑を否認している。
ブラッター氏は当時の状況について公判で証言。1998年にFIFA会長に初選出された際、プラティニ氏に顧問役を依頼すると年俸100万スイスフランを要求されたが、その額を支払う余裕はなかったため年俸は30万スイスフランとし、未払い分は後日支払うことで合意したと証言した。
ブラッター氏は「プラティニ氏と仕事を始めた時、これ(30万スイスフラン)が総額でないことは認識していたし、われわれは後でそのことを検討するつもりだった」と述べ、この取り決めは「紳士協定」だったとして「私は何も間違っていない」と主張した。
一方、プラティニ氏は「私は会長を信頼していたし、いつか支払ってもらえると思っていた」と証言。2011年1月に200万スイスフランの請求書をFIFAに送り、その10日後にブラッター氏の承認を得て受け取ったと話した。
プラティニ氏は99年にFIFAの契約書に署名したが、そこには30万スイスフランの報酬しか記されておらず、追加分については何も触れられていなかった。
判決は7月8日に下される予定で、有罪となれば両者は最高で禁錮5年となる。