[ワシントン 4日 ロイター] - 米国務省は4日、中東のテレビ局アルジャジーラの記者が5月にパレスチナ自治区ヨルダン側西岸地区で取材中に銃撃を受けて死亡した事件を巡る調査で、イスラエル軍側からの発砲が原因だった公算が大きいとする調査結果を発表した。
同時に「意図的」だったとは結論付けられなかったとしたほか、弾丸の損傷が激しいため、出所に関する明確な結論も得られなかったとした。
アルジャジーラによると、同社のシリン・アブアクレ記者(51)はパレスチナ自治区ジェニンでイスラエル軍の作戦の取材中に銃撃を受けて死亡。パレスチナ自治政府のアッバス議長とアルジャジーラはイスラエル軍による冷酷な殺人と非難していた。
この調査についてパレスチナ自治政府のアクラム・ハティーブ検事総長は、弾丸が激しく損傷していたという結論は誤りであり、同記者は意図的に狙われたと主張。「意図的に狙われたことを示す根拠は見つからなかったという米の発表は受け入れられない」と述べた。
一方、イスラエル側は兵士が故意に同記者を殺害した可能性を否定し、軍の誤射または現地でイスラエル軍と衝突していたパレスチナ側の武装集団が放った弾丸に当たった可能性があるとしている。
この調査は、バイデン米大統領の中東歴訪を来週に控える中、イスラエルとパレスチナの緊張緩和にはつながらなかった。