Guy Faulconbridge
[モスクワ 9日 ロイター] - ロシア議会下院は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准撤回手続きについての検討に入る。
ウォロジン下院議長は9日、この問題について議会指導部と協議し、批准撤回が国益にかなうとの見解を表明。下院の専門委員会に対して18日までに、批准撤回に向けた最適な方法を考えるよう指示した。
ロシアの在ウィーン国際機関代表部のウリヤノフ大使は6日、CTBTの批准を撤回する計画だと発言している。プーチン大統領は5日、ロシアの核戦略は修正していないが、CTBCを調印しながら批准していない米国と同じ立場になるために、ロシアも批准の撤回に目を向けることは可能だと述べた。
これに対してCTBT機構準備委員会のフロイド事務局長はロシアの動きに懸念を示し、批准を継続するようロシア側に働きかけていると説明した。
フロイド氏は、ロシアの「主要指導者」らとの可及的速やかな面会も求めており、「核実験禁止措置は依然として核兵器拡散を防ぎ、現世代と将来世代を核実験の爆発がもたらす有害な影響から守っている」と強調した。
核問題専門家は、ロシアがCTBT批准を撤回すれば、世界が核兵器でどう喝し合う危険な時代に後戻りしかねないと警鐘を鳴らしている。