[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米国株式市場はほぼ横ばいで取引を終えた。インフレ統計が市場予想を上回ったほか、労働市場のデータも底堅さを示し、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げに対する期待が後退した一方、米国債利回り低下が下支え要因となった。
株価は上昇して取引を開始し、S&P総合500種は2022年1月に付けた終値での最高値を一時上回る場面もあったが、その後下げに転じた。
米労働省が発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.4%上昇と伸びが前月の3.1%から加速し、ロイターがまとめた市場予想(3.2%上昇)を上回った。家賃が上昇傾向を維持した。また、週間の新規失業保険申請件数は予想に反して減少した。
クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、この日発表の米CPIで示されたようにインフレ率がFRBの2%目標に戻る道のりは険しいため、FRBが3月に政策金利を引き下げるのは時期尚早な可能性が高いと述べた。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、インフレを巡る状況の改善は「モノ」に過度に集中しているとの認識を示し、物価上昇ペースが2%で安定すると確信できるのをなお待っていると述べた。
マイクロソフトは時価総額で一時アップルを抜き、約2年ぶりに首位を奪還した。マイクロソフトは0.49%高、アップルは0.32%安で取引を終えた。
S&P500の主要11セクターは大半が下落し、プラス圏で引けたのはエネルギーと情報技術 のみだった。
暗号資産(仮想通貨)関連銘柄は序盤の高値から下げに転じ、大幅安で終了。コインベースが6.7%下げたほか、ビットファームズは13.33%安、ライオット・プラットフォームズは15.82%安となった。米証券取引委員会(SEC)は10日、ビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)を初めて承認した。
シティグループは1.77%安。12日に発表する23年第4・四半期決算について、特別費用と引当金として計38億ドル前後を計上すると明らかにした。
JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)も12日の決算発表を控えて下落した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.3対1の比率で上回った。ナスダックでも1.8対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は114億1000万株。直近20営業日の平均は122億7000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37711.02 +15.29 +0.04 37747.14 37801.90 37424.28
前営業日終値 37695.73
ナスダック総合 14970.19 +0.54 0.00 15020.95 15063.61 14800.38
前営業日終値 14969.65
S&P総合500種 4780.24 -3.21 -0.07 4792.13 4798.50 4739.58
前営業日終値 4783.45
ダウ輸送株20種 15534.90 -67.97 -0.44
ダウ公共株15種 879.70 -19.69 -2.19
フィラデルフィア半導体 4067.90 +19.05 +0.47
VIX指数 12.44 -0.25 -1.97
S&P一般消費財 1404.75 -0.41 -0.03
S&P素材 525.68 -1.70 -0.32
S&P工業 949.83 -1.91 -0.20
S&P主要消費財 768.72 -0.15 -0.02
S&P金融 626.52 -2.59 -0.41
S&P不動産 246.44 -2.38 -0.96
S&Pエネルギー 623.93 +1.00 +0.16
S&Pヘルスケア 1642.58 -1.86 -0.11
S&P通信サービス 249.96 -0.64 -0.26
S&P情報技術 3406.05 +14.88 +0.44
S&P公益事業 319.82 -7.68 -2.34
NYSE出来高 9.59億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 35260 + 10 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 35205 - 45 大阪比