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James Mackenzie
[ハニタ(イスラエル) 15日 ロイター] - イスラエル北部のレバノン国境付近に配置された軍部隊は、レバノン側の親イラン民兵組織ヒズボラとの全面戦争を避けるという政府の基本戦略が骨身にしみついている。
こうした戦闘教義は1956年に初めて出され、昨年10月7日に南部でイスラム組織ハマスから奇襲攻撃を受けた後の大規模動員とともに急いで再配布された。北部を担当するある旅団の司令官ドタン・ラジリ氏は、兵士らに戦術的な守勢に徹するよう指導している、と説明する。
ラジリ氏は、ハマスの奇襲後に住民が避難して無人となった北部国境沿いのキブツ(集団農場)が連なるハニタで「イスラエル軍は通常は攻撃的であり、われわれは戦争の主導権を握る」と語り、軍の訓練教範(マニュアル)を手にしながら「(だから)各部隊にはどのように防御に着手するか教えなければならなかった」と付け加えた。
この訓練教範によると、現代のハイテク装備に慣れきっている兵士や下級将校らは、数週間こもれる小さな塹壕(たこつぼ)の掘り方など、昔ながらの歩兵の技術を学ぶ必要がある。
ラジリ氏は「訓練を積んでわれわれはうまくできるようになったので、部隊を移動させて陣地を構築し、迎撃態勢は強化されている」と述べた。
イスラエル軍は、南にあるパレスチナ自治区ガザで連日激しい戦闘を繰り返しているが、北部国境を挟んだヒズボラとの間では今のところ双方による火力の応酬にとどまり、全面戦争には発展していない。
両者が最後に大規模な戦闘を行ったのは2006年。現在はイスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相が再三にわたり、ヒズボラとの戦争は望まないと表明し、ヒズボラ指導者からも同様のメッセージが発せられている。
もっともこのような落ち着かない対峙が、いつまで続くのかは分からない。
対戦車ミサイルや迫撃砲が交わされ、空爆や銃火が続く状況は、双方がより大規模な軍事行動に動いてもおかしくないレベルに達している。
これまでヒズボラの戦闘員は約140人、レバノン市民は少なくとも25人、イスラエルの兵士と民間人は少なくとも9人がそれぞれ死亡、ここ数週間で戦闘は激しさを増してきた。
<銃火の応酬>
イスラエル市民9万6000人余りは今、一時的な避難施設に滞在し、北部国境沿いにある多くの農場は時折、作業に訪れる人が見える程度。
北部国境に向かう道路はほとんどが荒れ果て、軍が設けた検問所を重武装の車列が通り過ぎていく。
ハニタは英国の委任統治時代に創設され、人口は約700人。北部国境沿い数百メートルにわたって可愛らしい木造の家屋が並ぶ。しかし、ほとんどは空き家で、その一つは屋根が迫撃砲で無残に破壊されている。持ち主が避難した家に取り残された猫の姿もある。
付近では、機関銃や迫撃砲の発射音が断続的に鳴り響く。
イスラエル軍のある高級将校は「ヒズボラがこの地域のあたりにほぼ毎日、銃火を送り込んでいる」と話す。別の将校は、ヒズボラの戦闘員がイスラエル軍陣地に対戦車ミサイル「コルネット」を発射したり、ドローン攻撃を行っていると説明した。
一方、イスラエル側も空爆や砲撃でヒズボラ陣地を定期的に攻撃しており、直近ではヒズボラの精鋭「ラドワン部隊」に所属する司令官を殺害した。
それでもイスラエル軍全体としては、北部で守勢を堅持。兵士らによると、直接的な脅威があるとみなした場合のみ、発砲するよう命令を受けているという。









