協調介入はまだあるか

発行済 2026-08-17 17:13

ドル円は8月10日週、堅調に推移し159円台後半まで持ち直した。8月7日に米国の7月雇用統計が予想を下回り一時156円台まで下落していたが、堅調に推移した。協調介入後の安値159.23が5月の安値155.04の下抜けに失敗したことから、改めて底堅さが確認されたことが一因となった。主要通貨の対ドル変化率をみても、原油価格の高止まりを受けてドルを含め、資源国通貨が堅調に推移した一方、円は介入の反動から最も軟調に推移した。

7月31日の協調介入について、FRBはユーロ円で介入した模様であり、ECBに対しては事後的に報告がなされた。また、その理由も介入ではなく外貨準備の再配分との説明がなされたと報じられている。協調介入に対する理解を得られにくいと判断したためではないか。また、1月23日のレートチェック後、ドル指数は第二次トランプ政権発足後の最安値を記録したが、その際、日米協調介入の可能性を問われたベッセント財務長官は「絶対にない」と答えている。米国は経常赤字国であり、本来ドル安は避けたいのであろう。また、1998年6月の日米協調円買い介入、2000年9月のG7協調介入ともに実施されたのは1営業日限りであり、今回も協調介入の再現性は低いんではないか。

日本では長期金利が上昇したが、タームプレミアムおよび期待インフレ率はそれほど上がっていない。7月の日銀金融政策決定会合の「主な意見」では9月利上げへの言及がみられた。ブルームバーグの報道によれば、政府が日米協調介入の効果を維持する観点から早期の利上げを支持しているとされる。これを受けて9月利上げの織り込みが8割まで上昇し、年内の利上げ回数も1.5回まで織り込まれた。それでも円高とならないのは、短期の実質金利が引き続きマイナス圏にとどまるためと考えられる

米国では消費者物価指数、生産者物価指数がいずれもインフレ圧力の緩和を示唆した。ダラス地区連銀が公表するPCEの刈込平均も2%付近まで低下した。一方、民間公表の週次小売売上高によれば、7月は前月から伸びが縮小したが、8月に入っても前年比8%台を維持している。労働市場についても、先週発表の7月雇用統計は予想を大きく下回ったが、21種類の労働市場関連データから算出される労働市場情勢指数のモメンタムが4カ月ぶりの水準まで上昇した。米FRBはインフレが高止まりする中で、12月に利上げに踏み切るのではないか。

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