Michael Martina David Brunnstrom
[ワシントン 25日 ロイター] - 北朝鮮からロシアへの武器輸送に関与しているとみられるロシアの貨物船が中国の港に停泊している。ロイターが入手した衛星写真で明らかになった。
英シンクタンク、王立防衛安全保障研究所(RUSI)はロシア船「アンガラ」が2月から中国東部浙江省の造船所に停泊していると指摘した。同船は2023年8月以降、北朝鮮製の武器弾薬とみられるコンテナ数千個をロシアの港に輸送した。
米国務省の報道官はアンガラが中国の港に係留されているという「信頼できる情報」を認識しているとし、中国当局にこの問題を提起したことを明らかにした。
「全ての国連加盟国に対し、安保理決議2397号に基づく義務を履行するよう求める」と述べた。同決議は北朝鮮との貿易を制限し、不法行為に関与する船舶の登録を抹消することを義務付けている。
その上で「ブリンケン国務長官が今週中国側と会談する際には、ロシアのウクライナ侵略やロシアと北朝鮮の関係などさまざまな懸念事項を取り上げる」と説明した。
RUSIが衛星画像大手の米プラネット・ラボなどから入手した画像では、アンガラが浙江省舟山市の造船所に停泊している様子が確認できる。
RUSIによると、同船は2月9日に中国に到着、修理かメンテナンスが目的の可能性が高いという。22年5月に米国から制裁を受けたが、23年8月から北朝鮮の羅津港とロシアの複数の港を少なくとも11回往復したという。
ワシントンの中国大使館はアンガラに関する詳細は承知していないとした上で、国際法や国連安保理の委任に基づかない一方的な制裁や「ロングアーム管轄権」には常に反対していると述べた。
RUSIの研究員であるジョセフ・バーン氏は、アンガラが国内の造船所に停泊していることを中国政府は承知しているはずだと指摘。「修理を完了させ検査もしないで出航させるなら、中国はこれらのロシア船に対して何も行動を起こさない可能性が高い」と語った。