日経平均は大幅反発。
372.53円高の21273.16円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えた。
米中政府は15日、北京で行っていた閣僚級貿易協議を終え、今週ワシントンで通商協議を再開する方針を明らかにした。
米中通商協議の継続が決定したことを受けて、15日の米国市場はNYダウが443ドル高と大幅に上昇。
この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は21210円と21000円を再び突破してきており、これにサヤ寄せする格好から、主力大型株中心にギャップアップでのスタートとなった。
21200円を回復して始まった日経平均は、その後やや上げ幅を縮める局面もみられたが、前引けにかけて強含む格好となり、一時21292.06円まで上げ幅を拡大させている。
東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1900を超えており、全体の9割近くを占める全面高商状。
セクターでは東証33業種全てが上昇しており、ゴム製品、石油石炭が4%を超える上昇となったほか、証券、銀行、鉱業、非鉄金属、小売、保険の強さが目立つ。
指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ (T:9983)、ファナック (T:6954)、ユニファミマ (T:8028)、テルモ (T:4543)がけん引。
一方で買い先行で始まったソフトバンクG (T:9984)は、下げに転じている。
ギャップアップでのスタート後は、こう着感が強まる相場展開が見込まれていたが、想定以上に強い動きといったところである。
また、先週末の下落によって需給悪化が警戒されていた中小型株についても、マザーズ指数はしっかりである。
マザーズ指数は寄り付き直後には上げ幅を縮めていたが、その後は寄り付き価格を上回って推移しており、安心感につながりやすいところである。
なお、米国市場が休場となることから海外勢のフローは限られようが、それ故に戻り待ちの売り圧力が低下しているとも捉えられる。
一方で、インデックス主導の売買のため方向感は掴みづらいところであるほか、ソフトバンクGが堅調さを持続できなかった点が重石になりやすい面はある。
戻り高値水準での強い動きではあるが、狭いレンジでのこう着から、次第に利益を確定させる動きに向かいやすいだろう。
上昇とはいえ、高く寄り付いたことから結果的には陰線形成が目立つ状況でもあり、これも戻りを鈍くさせる一因になりそうだ。