[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は26日、国債利回りの急上昇が加盟各国の「政策ミス」によるものである場合、金利上昇抑制に向けた新たな債券購入スキームは発動しない方針を示した。
25日投開票されたイタリア上下院総選挙の暫定開票結果によると、野党右派「イタリアの同胞(FDI)」率いる右派連合が過半数を獲得し勝利した。
FDIのジョルジャ・メローニ党首は欧州連合(EU)の財政ルールに従うことを公約しているが、連立を組む「同盟」のサルビーニ書記長は財政支出の拡大を求めている。
欧州議会で、イタリアを支援するために伝達保護措置(TPI=Transmission Protection Instrument)」を発動することが可能かを問われた同総裁は、国名を挙げることは避けたが、この制度は財政的に慎重な国を支援する目的でのみ存在し、その他の国は救済を申請する必要があると答弁した。
TPIは、イタリアなど債務負担を抱えた国とドイツとの国債スプレッドの拡大を抑制するため、7月に発表されたが、まだ使用されていない。
同総裁は「(TPIは)ファンダメンタルズや経済政策の誤りによって正当化されない、無秩序な市場の動きがあるような状況で使われる」とした。
それ以外の状況では買い入れ額の上限を事前に定めない買い入れプログラムであるOMT(Outright Monetary Transactions)による支援がより適切だと述べた。これはユーロ危機の際に導入されたより厳しい方策で、当該国に対し監視を伴う経済調整プログラムへの参加を求める。