先週発表の雇用統計が好調であったにも関わらずFRBが利下げを行う構えを見せたことから、7月11日のアジア市場において金価格が続伸している。
午後12時57分時点で8月の金先物は、1%高の1,426.05ドルで取引されている。
ジェローム・パウエルFRB議長が10日、同行は事業投資の減速と経済の不透明性増加に対し「適切に対応」すると述べた。
FRBによる今月中の利下げ観測により金利の影響を受けない金の魅力度が高まり、金価格は6年間の最高値付近で取引されている。
米中貿易戦争や英EU離脱等による不透明感も安全資産である金の価格を支えている要因として見られている。
バンガード・マーケットのスティーブン・イネス氏(マネージング・パートナー)はブルームバーグの取材に対し、「現在の金の上昇に懐疑的にならざるを得ない面もありたびたび下落があるだろうが、この先数ヶ月に渡って更に金価格の上昇が生じると考えられる。なのでFRBが緩和的金融政策に軸足を移し、動向のハト派的動向と債券の上昇によって米ドルが徐々に弱まっている現在、金価格の上昇傾向は続くと見られる」と発言している。