Chuck Mikolajczak
[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米国株式市場は小幅下落して取引を終えた。前週は人工知能(AI)関連銘柄への買いを背景に上昇していたが、焦点は米利下げ時期を左右する経済指標に移っている。
米連邦準備理事会(FRB)が重視する物価指標である個人消費支出(PCE)価格指数の1月データが29日発表される。物価上昇圧力が十分に緩和していないことが示されれば、このところ見られてきた市場の熱狂は冷めかねない。
CMEグループのフェドウオッチによると、予想以上に強い物価指標を受けて市場は3月利下げの可能性をほぼ排除し、利下げ開始時期の予想は6月に後ずれしている。
今週は耐久財や消費者信頼感、製造業活動データも発表される。
USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ロブ・ハワース氏は「主要指標の発表を控え、投資家のポジション調整が多く見られている」と指摘した。
前週は半導体大手エヌビディアの好調な業績見通しを受け、AIブームに拍車がかかり、ダウ工業株30種とS&P総合500種が最高値を更新。ナスダック総合も2021年11月に付けた最高値に迫った。
S&P500は過去17週のうち15週で上昇。ドイツ銀行によると、これは過去50年間で1989年の一度しか起きていない。
この日は半導体大手マイクロン・テクノロジーが4.02%上昇し、ナスダックを下支えした。同社はエヌビディアの次世代AI向け半導体に使用する高性能メモリー「HBM3E」の量産を開始すると発表した。
フィラデルフィア半導体指数は1.05%上昇した。
グーグル親会社アルファベットは4.44%下落。今後数週間でAIツールを再導入すると発表した。先週、一部の歴史的描写に不正確な点があったため、一時停止していた。
投資会社バークシャー・ハザウェイは1.94%安と一時の上げを消す展開。米政府がバークシャー傘下企業パシフィコープを提訴すると警告したことが懸念されている。
ピザチェーン大手ドミノ・ピザは5.85%上昇。四半期の既存店売上高が市場予想を上回った。
民間企業として22日に初めて月面着陸に成功した宇宙企業インテュイティブ・マシンズは34.62%急落。無人月着陸船「ノバC」(愛称オデッセウス)が着陸後に横倒しになったことが背景。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.6対1の比率で上回った。ナスダックでは1.2対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は108億9000万株。直近20営業日の平均は116億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 39069.23 -62.30 -0.16 39144.79 39245.89 39025.80
前営業日終値 39131.53
ナスダック総合 15976.25 -20.57 -0.13 16014.45 16054.90 15973.90
前営業日終値 15996.82
S&P総合500種 5069.53 -19.27 -0.38 5093.00 5097.66 5068.91
前営業日終値 5088.80
ダウ輸送株20種 15842.25 -78.77 -0.49
ダウ公共株15種 832.73 -16.32 -1.92
フィラデルフィア半導体 4663.47 +48.43 +1.05
VIX指数 13.74 -0.01 -0.07
S&P一般消費財 1464.59 +3.32 +0.23
S&P素材 543.46 -3.21 -0.59
S&P工業 1014.90 -1.15 -0.11
S&P主要消費財 790.88 -2.30 -0.29
S&P金融 665.97 -3.10 -0.46
S&P不動産 240.18 -2.77 -1.14
S&Pエネルギー 654.45 +2.10 +0.32
S&Pヘルスケア 1712.11 -8.69 -0.50
S&P通信サービス 269.01 -5.74 -2.09
S&P情報技術 3723.21 +1.22 +0.03
S&P公益事業 306.83 -6.59 -2.10
NYSE出来高 9.36億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 39350 + 120 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 39340 + 110 大阪比