■今後の見通し
(1)2017年3月期の業績見通し
ソフト99コーポレーション {{|0:}}の2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.6%増の22,400百万円、営業利益が同2.2%減の2,200百万円、経常利益が同2.4%減の2,380百万円、当期純利益が同11.0%減の1,580百万円と増収減益を計画している。
増収にもかかわらず減益となるのは、販管費の増加を見込んでいるためだ。
今期はファインケミカル部門の物流施設の建替えを予定しており(設備投資額700百万円、2017年2月完成予定)、設備投資に伴う付帯費用の増加や、ポーラスマテリアル事業の人員体制強化による人件費増を予定している。
売上総利益率に関しては前期と同水準を想定しており、売上高を計画以上に伸ばすことができれば、増益となる可能性がある。
セグメント別の売上計画では、ファインケミカル事業で前期比2.9%増の11,000百万円を見込んでいる。
前期に好調に推移した業務用コーティング剤については、自動車及び自動車以外の新規顧客開拓を進めていくことで、今期も引き続き好調に推移する見通し。
ボディケア製品では大型商品の育成を目指し、「スムースエッグ」シリーズの販売に引き続き注力していく方針となっている。
また、ガラスケア製品では「ガラコ」発売25周年ということもあって、記念キャンペーンも行いながら、新商品等の売上を伸ばしていく考えだ。
その他、家庭用品ではメガネケア商品を中心に堅調を持続し、海外事業についても若干ながら増収に転じると計画となっている。
前期落ち込んでいた東南アジアやロシアなどの販売動向が直近では少し持ち直してきたほか、ドイツやポーランドなど新規進出国での業務用コーティング剤の伸びを見込んでいる。
なお、ロシアについては富裕層向けに高付加価値のコーティング剤が伸びているようで、利益率の向上にも寄与すると見られる。
TPMS事業も前期比23%増の180百万円と規模は小さいながらも順調に拡大する見通し。
今後もトラック等の大型車でのTPMSの普及拡大が見込まれることから、今後の成長事業として注目される。
現在は同領域での競合も無いことから、いかに顧客を早期に囲い込んでいくことができるかが、事業拡大の鍵を握ることとなる。
このため、現在は直販による営業活動を行っているが、今後は販売効率を上げていくため、代理店販売なども行っていく考えだ。
ポーラスマテリアル事業は前期比1.9%増収の5,000百万円を見込んでいる。
半導体市場向けが堅調を持続するほか、生活資材部門でもファインケミカル事業部門との共同開発による新製品を積極的に投入していく予定で、増収基調を継続していく。
サービス・不動産関連事業については合計で前期比0.8%減の6,400百万円を見込んでいる。
生活用品企画販売や不動産賃貸事業は引き続き増収が見込まれるものの、温浴事業の減収が響く格好となる。
(2)今後の成長に向けた課題
同社は現在、進行中の中期経営計画「SOFT99 Drive」(2015年3月期~2017年3月期)において、最終年度の経営数値目標を当初計画から引き下げている。
売上高については24,000百万円を22,400百万円に、営業利益は2,400百万円を2,200百万円に引き下げた。
なお当期純利益については法人税率の低下などもあって、当初計画の1,500百万円を若干上回る1,580百万円となっている。
今回の下方修正の内訳を事業セグメント別で見ると、ファインケミカル事業とサービス・不動産関連事業を引き下げ、ポーラスマテリアル事業に関しては前期までの進捗が想定を上回ったこともあり、若干の上方修正となっている。
ファインケミカル事業においては、ボディケア製品での大型新製品の育成が想定通り進まなかったことや、海外事業において新興国の販売が計画を下回っていること、また北米市場の開拓が遅れていることなどが下方修正の要因となっている。
また、サービス・不動産事業においては、オートサービス事業が損害保険の料率改定による保険会社経由の鈑金修理需要の減少により、当初計画を下回って推移していることが主因となっている。
こうした状況を踏まえて、今後の成長を進めていくに当たっての課題として、ファインケミカル事業では、消費者ニーズを的確に捉えた製品開発体制の強化を進めていくこと、並びに北米市場の開拓や新規仕向け先での販路拡大などを挙げている。
また、ポーラスマテリアル事業に関しても、業績は順調に推移しているものの、技術開発力の高さをまだ十分に生かしきれていないと考えており、営業・開発両面での新規用途・新市場の開拓活動に注力していくことを挙げており、特に生活資材部門においての開発強化及び海外市場の開拓に注力していく方針だ。
オートサービス事業に関しては、引き続き環境的には厳しいものの、新規顧客の開拓や美装サービスなど周辺事業領域を伸ばすことが成長を図る上での課題となっている。
こうした課題点が解消されれば、中期的に収益拡大を続けていくことが可能になると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
(1)2017年3月期の業績見通し
ソフト99コーポレーション {{|0:}}の2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.6%増の22,400百万円、営業利益が同2.2%減の2,200百万円、経常利益が同2.4%減の2,380百万円、当期純利益が同11.0%減の1,580百万円と増収減益を計画している。
増収にもかかわらず減益となるのは、販管費の増加を見込んでいるためだ。
今期はファインケミカル部門の物流施設の建替えを予定しており(設備投資額700百万円、2017年2月完成予定)、設備投資に伴う付帯費用の増加や、ポーラスマテリアル事業の人員体制強化による人件費増を予定している。
売上総利益率に関しては前期と同水準を想定しており、売上高を計画以上に伸ばすことができれば、増益となる可能性がある。
セグメント別の売上計画では、ファインケミカル事業で前期比2.9%増の11,000百万円を見込んでいる。
前期に好調に推移した業務用コーティング剤については、自動車及び自動車以外の新規顧客開拓を進めていくことで、今期も引き続き好調に推移する見通し。
ボディケア製品では大型商品の育成を目指し、「スムースエッグ」シリーズの販売に引き続き注力していく方針となっている。
また、ガラスケア製品では「ガラコ」発売25周年ということもあって、記念キャンペーンも行いながら、新商品等の売上を伸ばしていく考えだ。
その他、家庭用品ではメガネケア商品を中心に堅調を持続し、海外事業についても若干ながら増収に転じると計画となっている。
前期落ち込んでいた東南アジアやロシアなどの販売動向が直近では少し持ち直してきたほか、ドイツやポーランドなど新規進出国での業務用コーティング剤の伸びを見込んでいる。
なお、ロシアについては富裕層向けに高付加価値のコーティング剤が伸びているようで、利益率の向上にも寄与すると見られる。
TPMS事業も前期比23%増の180百万円と規模は小さいながらも順調に拡大する見通し。
今後もトラック等の大型車でのTPMSの普及拡大が見込まれることから、今後の成長事業として注目される。
現在は同領域での競合も無いことから、いかに顧客を早期に囲い込んでいくことができるかが、事業拡大の鍵を握ることとなる。
このため、現在は直販による営業活動を行っているが、今後は販売効率を上げていくため、代理店販売なども行っていく考えだ。
ポーラスマテリアル事業は前期比1.9%増収の5,000百万円を見込んでいる。
半導体市場向けが堅調を持続するほか、生活資材部門でもファインケミカル事業部門との共同開発による新製品を積極的に投入していく予定で、増収基調を継続していく。
サービス・不動産関連事業については合計で前期比0.8%減の6,400百万円を見込んでいる。
生活用品企画販売や不動産賃貸事業は引き続き増収が見込まれるものの、温浴事業の減収が響く格好となる。
(2)今後の成長に向けた課題
同社は現在、進行中の中期経営計画「SOFT99 Drive」(2015年3月期~2017年3月期)において、最終年度の経営数値目標を当初計画から引き下げている。
売上高については24,000百万円を22,400百万円に、営業利益は2,400百万円を2,200百万円に引き下げた。
なお当期純利益については法人税率の低下などもあって、当初計画の1,500百万円を若干上回る1,580百万円となっている。
今回の下方修正の内訳を事業セグメント別で見ると、ファインケミカル事業とサービス・不動産関連事業を引き下げ、ポーラスマテリアル事業に関しては前期までの進捗が想定を上回ったこともあり、若干の上方修正となっている。
ファインケミカル事業においては、ボディケア製品での大型新製品の育成が想定通り進まなかったことや、海外事業において新興国の販売が計画を下回っていること、また北米市場の開拓が遅れていることなどが下方修正の要因となっている。
また、サービス・不動産事業においては、オートサービス事業が損害保険の料率改定による保険会社経由の鈑金修理需要の減少により、当初計画を下回って推移していることが主因となっている。
こうした状況を踏まえて、今後の成長を進めていくに当たっての課題として、ファインケミカル事業では、消費者ニーズを的確に捉えた製品開発体制の強化を進めていくこと、並びに北米市場の開拓や新規仕向け先での販路拡大などを挙げている。
また、ポーラスマテリアル事業に関しても、業績は順調に推移しているものの、技術開発力の高さをまだ十分に生かしきれていないと考えており、営業・開発両面での新規用途・新市場の開拓活動に注力していくことを挙げており、特に生活資材部門においての開発強化及び海外市場の開拓に注力していく方針だ。
オートサービス事業に関しては、引き続き環境的には厳しいものの、新規顧客の開拓や美装サービスなど周辺事業領域を伸ばすことが成長を図る上での課題となっている。
こうした課題点が解消されれば、中期的に収益拡大を続けていくことが可能になると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)