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ヘリオステクノ Research Memo(3):製造装置事業が売上高・利益の両面で中核を担う

発行済 2017-06-08 15:59
更新済 2017-06-08 16:33
ヘリオステクノ Research Memo(3):製造装置事業が売上高・利益の両面で中核を担う
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■会社概要

2. 事業の概要
ヘリオス テクノ ホールディング (T:6927)自身は純粋持株会社で、傘下にはランプ事業を手掛けるフェニックス電機、人材サービス事業等を行っている日本技術センター、製造装置事業を手掛けるナカンテクノの主要3社を中核に5社で構成されている。
事業セグメントとしては、ランプ事業、製造装置事業、人材派遣事業の3事業セグメントから成っている。


(1)ランプ事業の概要
ランプ事業はフェニックス電機とその子会社の(株)ルクスが担当している。
事業部門は製品や用途で、プロジェクター用ランプ、ハロゲンランプ、商品、LEDランプ、露光装置用光源の5つのサブセグメントに分かれている。


プロジェクター用ランプは背面反射型プロジェクターの光源で、現在は代替需要が市場として残っている状況だ。
売上高の構成比も徐々に低下してきている。


ハロゲンランプ、商品、LEDランプはいずれも店舗等の照明用途が中心だ。
流れとしては省エネ・長寿命のLEDへのシフトが進んでおり、同社もLEDランプが伸長する一方、ハロゲンは縮小方向という状況にある。
LEDランプについては、LEDチップを外部から購入し、自社で照明製品を製造している。


露光装置用光源は、液晶パネルの重要構成部品であるカラーフィルターの製造において、リソグラフィプロセスで使用される露光装置の光源ユニットだ。
露光装置の全体は専門メーカーが製造しており、同社は専門メーカーに対して光源ユニット(MLS=Multi Lamp System)として納入している。
現状は、国内トップの装置メーカーに対して専属で納入している。
MLSはランプとランプを支える筐体から成るが、ランプはランプ事業に、筐体は製造装置事業にそれぞれ収益計上される。
売上高の構成比は筐体のほうが大きいが、利益率はランプ部分のほうが高いとみられる。


(2)製造装置事業の概要
同社の製造装置事業はナカンテクノと(株)リードテックが行っている事業だ。
この事業部門はフレキソ印刷機、プラント、新規装置(HRP)及びその他の4つのサブセグメントから成っている。


フレキソ印刷機の代表的製品は液晶パネルの配向膜製造装置だ。
配向膜製造装置にはフレキソ印刷技術ベースのものとインクジェットプリンターの技術によるものの2つのタイプがあるが、ナカンテクノはフレキソ印刷機タイプの配向膜製造装置の唯一のメーカーだ。
フレキソ印刷機タイプはマザーガラスサイズでG8.5(8.5世代)までが限界とされており、同社の出荷する装置も現状はG8.5が中心となっている。
液晶パネル製造現場の最先端ではG10.5へと世代が進んでいるが、同社にとってのメイン市場である中国ではG8.5サイズへのニーズも根強い模様だ。
同社はG10.5対応を目指してインクジェット方式によるPI印刷機の開発も進めている。


プラントは中古の液晶パネル製造装置の仲介・搬送・移設を行う事業だ。
中国では世代遅れの製造装置を安く購入し、それで液晶パネルの生産コストを下げるというニーズが根強い。
リードテックは装置の製造以外にも機器の設置の技術・経験が豊富なところが強みだ。


新規装置の内容はHRP(High Resolution Printer、高精細印刷機)だ。
インクジェット方式やグラビア印刷方式等、ベースとなる印刷技術は様々なものを活用しながら、高精細印刷を目的とする装置の開発を進めてきた。
足元は、インクジェット方式のHRPが急速に受注を伸ばしている状況にある。


“その他”は、過去に納入した製造装置に対する消耗品の供給や、改修・改良工事、保守・メンテナンス等だ。
同社の製造装置の累計販売台数は60台を大きく超えてきており、“その他”売上高もここ数年は増加基調にある。


2017年3月期からは、検査装置事業が製造装置事業に統合された。
検査装置事業は日本技術センターが手掛けている事業だ。
ここ数年は検査装置の製造ではなく液晶カラーフィルター露光装置用光源ユニット(MLS)の筐体の製造と、そこに光源を組み合わせてユニット化する作業が業務内容となっていた。
しかし、2017年3月期においてパワーデバイステスターの開発を完了し、複数社への販売実績を獲得した。
これはカタログモデルとしての製品であり、今後の展開が注目される。


(3)人材サービス事業の概要
人材サービス事業は日本技術センターが手掛けている。
同社は傘下に複数の人材サービス企業を抱えていたが、日本技術センターが2013年10月に(株)関西技研を吸収合併し、さらに2015年4月に(株)テクノ・プロバイダーを吸収合併して現状の体制となった。
こうした動きの裏側には、管理コストを削減して事業の収益性を高めようというねらいがあるものとみられる。


人材サービス事業の内容は、製造技術者派遣、労働者派遣、設計請負、訪問介護事業等となっている。
収益の中心は製造技術者派遣及び労働者派遣だ。
営業戦略では、同社は地域密着型の事業モデルを採用している。
「点から面へ」をスローガンに、既存顧客の周辺地域でさらに顧客を広げて派遣労働者を集中的に配置する体制構築を目指している。
理由はいうまでもなく効率性の追求だ。


同社は人材サービス事業については今後もM&Aの機会を追求していく方針を明らかにしている。
人材派遣業界は人材獲得に苦心しており、人材と営業基盤の両方を獲得できるという点でM&Aによる拡大が有効という判断だ。
M&Aに際しては、前述の地域密着型モデルに照らし、シナジーを得やすい地域に基盤を置く企業を対象にM&Aの機会を追求する方針だ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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