■今後の見通し
2018年3月期通期についてヘリオス テクノ ホールディング (T:6927)は、売上高21,900百万円(前期比27.9%増)、営業利益1,800百万円(同29.8%増)、経常利益1,700百万円(同23.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円(同4.8%増)と増収増益を予想している。
期初の段階で業績見通しの修正を論ずるのは時期尚早ではあるが、第一印象としては控えめな予想というのが弊社の考えだ。
詳細は後述するが、主力の製造装置事業の売上高の見通しが、サブセグメントの見通しを積み上げた数字に比べて弱い印象だ。
これが実際に上方修正につながるかどうかはもう少し時間が必要と考えるが、今期の注目ポイントはまさにここだと弊社ではみている。
ランプ事業の売上高は前期比2.2%増収の3,700百万円が予想されている。
MLS用光源は今期も順調に拡大すると期待される。
一方でプロジェクター用ランプはゼロに向かって漸減基調となっており、こうした予想につながっているとみられる。
MLS光源については、これまでの納入実績が積み上がってきていることや、液晶製造ラインの稼働率が高まっていること等を踏まえると補修用需要が想定以上に増える可能性があると弊社ではみている。
製造装置事業の売上高は前期比35.9%増の13,400百万円が予想されている。
このセグメントは液晶配向膜製造装置を中心とするフレキソ印刷機、プラント(中古製造装置の移設)、HRP、及びその他(保守・メンテナンス等)の4つのサブセグメントからなっている。
成長戦略の項で述べたように、プラントでは前期比約4億円の増収が期待される。
同様にメンテンスで5億円、HRPで約50億円、検査装置で約5億円の増収が期待される。
一方減収はフレキソ印刷機で約6億円が見込まれる。
これらを総計すると約58億円の増収額となる。
売上計上の時期のずれ込等を考慮したとしても、会社予想ベースの前期比3,537百万円増収というのは控えめに過ぎるという印象だ。
人材サービス事業は前期比31.3%増収の4,800百万円が予想されている。
設計者派遣、製造派遣ともに需要が旺盛なため前期並みの増収は合理的に期待できる。
しかし、前期比30%を超える増収はオーガニックグロースだけでは難しいのではないかというのが弊社の考えだ。
M&Aによる業容拡大を前提としている可能性があり、その場合、案件が整わない場合には業績予想に対して未達となるリスクが出てくる。
利益については所期の売上高予想が達成されれば自然に達成されると弊社ではみている。
会社予想の営業利益率は8.2%と前期比0.2%ポイントの改善だ。
今期の増収の中身が、利益率が全社平均よりも高い製造装置事業であることを考えると、営業利益率の改善幅はそれ以上になると弊社ではみている。
同社が期待するように売上高が会社予想を上回ってくる場合には、営業利益も同様に会社予想を上回ってくるとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
2018年3月期通期についてヘリオス テクノ ホールディング (T:6927)は、売上高21,900百万円(前期比27.9%増)、営業利益1,800百万円(同29.8%増)、経常利益1,700百万円(同23.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円(同4.8%増)と増収増益を予想している。
期初の段階で業績見通しの修正を論ずるのは時期尚早ではあるが、第一印象としては控えめな予想というのが弊社の考えだ。
詳細は後述するが、主力の製造装置事業の売上高の見通しが、サブセグメントの見通しを積み上げた数字に比べて弱い印象だ。
これが実際に上方修正につながるかどうかはもう少し時間が必要と考えるが、今期の注目ポイントはまさにここだと弊社ではみている。
ランプ事業の売上高は前期比2.2%増収の3,700百万円が予想されている。
MLS用光源は今期も順調に拡大すると期待される。
一方でプロジェクター用ランプはゼロに向かって漸減基調となっており、こうした予想につながっているとみられる。
MLS光源については、これまでの納入実績が積み上がってきていることや、液晶製造ラインの稼働率が高まっていること等を踏まえると補修用需要が想定以上に増える可能性があると弊社ではみている。
製造装置事業の売上高は前期比35.9%増の13,400百万円が予想されている。
このセグメントは液晶配向膜製造装置を中心とするフレキソ印刷機、プラント(中古製造装置の移設)、HRP、及びその他(保守・メンテナンス等)の4つのサブセグメントからなっている。
成長戦略の項で述べたように、プラントでは前期比約4億円の増収が期待される。
同様にメンテンスで5億円、HRPで約50億円、検査装置で約5億円の増収が期待される。
一方減収はフレキソ印刷機で約6億円が見込まれる。
これらを総計すると約58億円の増収額となる。
売上計上の時期のずれ込等を考慮したとしても、会社予想ベースの前期比3,537百万円増収というのは控えめに過ぎるという印象だ。
人材サービス事業は前期比31.3%増収の4,800百万円が予想されている。
設計者派遣、製造派遣ともに需要が旺盛なため前期並みの増収は合理的に期待できる。
しかし、前期比30%を超える増収はオーガニックグロースだけでは難しいのではないかというのが弊社の考えだ。
M&Aによる業容拡大を前提としている可能性があり、その場合、案件が整わない場合には業績予想に対して未達となるリスクが出てくる。
利益については所期の売上高予想が達成されれば自然に達成されると弊社ではみている。
会社予想の営業利益率は8.2%と前期比0.2%ポイントの改善だ。
今期の増収の中身が、利益率が全社平均よりも高い製造装置事業であることを考えると、営業利益率の改善幅はそれ以上になると弊社ではみている。
同社が期待するように売上高が会社予想を上回ってくる場合には、営業利益も同様に会社予想を上回ってくるとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)