■要約
プレミアムウォーターホールディングス (T:2588)は、天然水製造が強みの(株)ウォーターダイレクトと営業力が強みの(株)エフエルシーが経営統合して生まれた、業界トップ3の一角の企業グループである。
率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平(はぎおようへい)代表取締役社長。
経営統合時にブランドを「プレミアムウォーター」に統一し再スタートを切った。
強力な営業組織と販売ノウハウが強みであり、顧客保有数493千人(2017年5月時点)を増やし続けている。
1. ビジネスの特長
同社は、非加熱天然水製造が強みの旧ウォーターダイレクトと営業力が強みの旧エフエルシーが経営統合した経緯があり、製販ともに充実した天然水宅配のトップ企業である。
採水、製造、販売、製品特徴の各プロセスにおいて独自の強みを持つ。
事業は「投資回収型ストックビジネスモデル」であり、ウォーターサーバーの原価やデモンストレーション販売の費用(1顧客当たり数万円)を会社側が最初に負担し、天然水の売上げで徐々に回収していく。
新規顧客を一気に増やす時期は赤字になるが、その後回収が進んでくると大きく黒字に転換するという事業特性である。
2. 業績動向
2017年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比52.8%増の19,947百万円、営業損失で同604百万円減の569百万円、経常損失704百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1,217百万円となった。
増収に関しては、2016年7月の経営統合から9か月分の業績が計上され、さらに統合後に保有契約件数の増加ペースが上がっていることが要因だ。
損失に関しては、顧客基盤の強化に向けた営業活動の拡大等により販売促進費等が大幅に増加したことが主な要因である。
統合後の営業体制が整い、新規顧客獲得に手応えを得たために、より大きな成長のための先行投資を行っていると評価したい。
3. 業績見通し
2018年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比30.3%増の26,000百万円、営業損失は同280百万円拡大で850百万円の損失、経常損失で同395百万円拡大の1,100百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純損失は同107百万円縮小で1,110百万円の損失の見込みである。
売上高の大幅増加が続くが、統合後の新規顧客獲得ペース(月間約1.8万件)や解約率などから緻密に計算されたものであり確実性が高い。
一方利益面に関しては、今期も先行投資期間と位置付けているために、新規顧客獲得のための投資(販管費)を戦略的に行い、2017年3月期と同レベルの損失をあえて計上する予想だ。
4. 成長戦略
同社は、2017年5月19日に中期経営計画を発表した。
最終年度(2022年3月期)に、売上高55,000百万円(2017年3月期比で2.8倍)、営業利益4,000百万円(同4,569百万円増)、EBITDA9,500百万円(同5.3倍)、新規契約件数35万件(同1.7倍)、期末保有契約件数141万件(同3.0倍)という積極的な成長計画である。
前年発表の5ヶ年計画から、売上高に関しては上方修正され、営業利益に関しては、黒字化する時期を1年先送りした。
より大きく先行投資をして、より大きく刈り取る方向性が見て取れる。
新規契約件数の計画値は、年率10.8%の成長と現実的であり、同社の強みである営業組織のポテンシャルから考えると想定可能な数字と言えるだろう。
■Key Points
・宅配水トップ3社の一角。
強みは「非加熱天然水の製造」×「顧客獲得力」
・2017年3月期は前期比50%を超える大幅増収、新規顧客獲得に手応えあり販促に先行投資
・新中期経営計画を発表、5年後に売上高550億円、営業利益40億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
プレミアムウォーターホールディングス (T:2588)は、天然水製造が強みの(株)ウォーターダイレクトと営業力が強みの(株)エフエルシーが経営統合して生まれた、業界トップ3の一角の企業グループである。
率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平(はぎおようへい)代表取締役社長。
経営統合時にブランドを「プレミアムウォーター」に統一し再スタートを切った。
強力な営業組織と販売ノウハウが強みであり、顧客保有数493千人(2017年5月時点)を増やし続けている。
1. ビジネスの特長
同社は、非加熱天然水製造が強みの旧ウォーターダイレクトと営業力が強みの旧エフエルシーが経営統合した経緯があり、製販ともに充実した天然水宅配のトップ企業である。
採水、製造、販売、製品特徴の各プロセスにおいて独自の強みを持つ。
事業は「投資回収型ストックビジネスモデル」であり、ウォーターサーバーの原価やデモンストレーション販売の費用(1顧客当たり数万円)を会社側が最初に負担し、天然水の売上げで徐々に回収していく。
新規顧客を一気に増やす時期は赤字になるが、その後回収が進んでくると大きく黒字に転換するという事業特性である。
2. 業績動向
2017年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比52.8%増の19,947百万円、営業損失で同604百万円減の569百万円、経常損失704百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1,217百万円となった。
増収に関しては、2016年7月の経営統合から9か月分の業績が計上され、さらに統合後に保有契約件数の増加ペースが上がっていることが要因だ。
損失に関しては、顧客基盤の強化に向けた営業活動の拡大等により販売促進費等が大幅に増加したことが主な要因である。
統合後の営業体制が整い、新規顧客獲得に手応えを得たために、より大きな成長のための先行投資を行っていると評価したい。
3. 業績見通し
2018年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比30.3%増の26,000百万円、営業損失は同280百万円拡大で850百万円の損失、経常損失で同395百万円拡大の1,100百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純損失は同107百万円縮小で1,110百万円の損失の見込みである。
売上高の大幅増加が続くが、統合後の新規顧客獲得ペース(月間約1.8万件)や解約率などから緻密に計算されたものであり確実性が高い。
一方利益面に関しては、今期も先行投資期間と位置付けているために、新規顧客獲得のための投資(販管費)を戦略的に行い、2017年3月期と同レベルの損失をあえて計上する予想だ。
4. 成長戦略
同社は、2017年5月19日に中期経営計画を発表した。
最終年度(2022年3月期)に、売上高55,000百万円(2017年3月期比で2.8倍)、営業利益4,000百万円(同4,569百万円増)、EBITDA9,500百万円(同5.3倍)、新規契約件数35万件(同1.7倍)、期末保有契約件数141万件(同3.0倍)という積極的な成長計画である。
前年発表の5ヶ年計画から、売上高に関しては上方修正され、営業利益に関しては、黒字化する時期を1年先送りした。
より大きく先行投資をして、より大きく刈り取る方向性が見て取れる。
新規契約件数の計画値は、年率10.8%の成長と現実的であり、同社の強みである営業組織のポテンシャルから考えると想定可能な数字と言えるだろう。
■Key Points
・宅配水トップ3社の一角。
強みは「非加熱天然水の製造」×「顧客獲得力」
・2017年3月期は前期比50%を超える大幅増収、新規顧客獲得に手応えあり販促に先行投資
・新中期経営計画を発表、5年後に売上高550億円、営業利益40億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)