■業績動向
1. 2018年3月期第1四半期業績の概要
北日本紡績 (T:3409)が8月4日に発表した2018年3月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比15.0%増の114百万円、営業利益が4百万円(前年同期は2百万円の損失)、経常利益が前年同期比751.4%増の9百万円、四半期純利益が6百万円(前年同期は0百万円の損失)だった。
自動車関連のアラミド繊維の想定以上の好調がけん引して増収増益となり、各利益とも黒字だった。
繊維事業は売上高が前年同期比15.9%増の114百万円、営業利益が5百万円(前年同期は0百万円の損失)だった。
帝人からの委託加工である主力のアラミド繊維の売上高が自動車関連の好調で前年同期比43.9%増加した。
高機能インナー向け紡績糸は在庫調整がほぼ終了して堅調に推移し、ユニフォーム向け原着糸の受注も増加傾向となった。
生産数量は増産体制構築への取り組みが奏功して同13.2%増加した。
環境事業は売上高が前年同期比96.2%減の0百万円、営業損失が1百万円(前年同期は1百万円の損失)だった。
水処理にかかる塩素臭・スライム・スケール等の付着問題の解決や水・燃料の節減を提案する営業活動を推進したが、導入効果の検証に時間が掛かることや、商品の機能・効能の周知に時間を割かざるを得ないため、売上高は低調だった。
2. 高付加価値のアラミド繊維の増収で売上総利益率が改善基調
2018年3月期第1四半期の全社ベースの売上総利益は前年同期比31.9%増加し、売上総利益率は28.3%で同3.7ポイント上昇した。
高付加価値のアラミド繊維の大幅増収で売上総利益率が改善基調である。
販管費は同2.6%増加にとどまり、販管費率は24.1%で同2.9ポイント低下した。
なお、特別利益に投資有価証券売却益1百万円、特別損失に環境対策費としてPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理費用4百万円を計上した。
3. 財務面の改善が課題
2017年3月期に、営業利益、営業活動によるキャッシュ・フローともプラスとなって「継続企業の前提に関する重要事象等」及び「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消したが、収益の安定・向上とともに、財務面の早期改善が課題である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
1. 2018年3月期第1四半期業績の概要
北日本紡績 (T:3409)が8月4日に発表した2018年3月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比15.0%増の114百万円、営業利益が4百万円(前年同期は2百万円の損失)、経常利益が前年同期比751.4%増の9百万円、四半期純利益が6百万円(前年同期は0百万円の損失)だった。
自動車関連のアラミド繊維の想定以上の好調がけん引して増収増益となり、各利益とも黒字だった。
繊維事業は売上高が前年同期比15.9%増の114百万円、営業利益が5百万円(前年同期は0百万円の損失)だった。
帝人からの委託加工である主力のアラミド繊維の売上高が自動車関連の好調で前年同期比43.9%増加した。
高機能インナー向け紡績糸は在庫調整がほぼ終了して堅調に推移し、ユニフォーム向け原着糸の受注も増加傾向となった。
生産数量は増産体制構築への取り組みが奏功して同13.2%増加した。
環境事業は売上高が前年同期比96.2%減の0百万円、営業損失が1百万円(前年同期は1百万円の損失)だった。
水処理にかかる塩素臭・スライム・スケール等の付着問題の解決や水・燃料の節減を提案する営業活動を推進したが、導入効果の検証に時間が掛かることや、商品の機能・効能の周知に時間を割かざるを得ないため、売上高は低調だった。
2. 高付加価値のアラミド繊維の増収で売上総利益率が改善基調
2018年3月期第1四半期の全社ベースの売上総利益は前年同期比31.9%増加し、売上総利益率は28.3%で同3.7ポイント上昇した。
高付加価値のアラミド繊維の大幅増収で売上総利益率が改善基調である。
販管費は同2.6%増加にとどまり、販管費率は24.1%で同2.9ポイント低下した。
なお、特別利益に投資有価証券売却益1百万円、特別損失に環境対策費としてPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理費用4百万円を計上した。
3. 財務面の改善が課題
2017年3月期に、営業利益、営業活動によるキャッシュ・フローともプラスとなって「継続企業の前提に関する重要事象等」及び「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消したが、収益の安定・向上とともに、財務面の早期改善が課題である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)