■業績動向
1. 2018年3月期業績の概要
あらた (T:2733)の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.0%増の732,914百万円、営業利益が同19.9%増の8,857百万円、経常利益が同20.4%増の9,439百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.8%増の6,361百万円となり、売上高、各利益ともに会社計画を上回り、過去最高を更新した。
売上高は、ドラッグストア業態の主要顧客先が出店数を拡大していることや消費マインドが堅調だったこと等により、化粧品や日用品などすべての商品カテゴリーが増収となったほか、子会社のジャペル、ファッションあらたもそれぞれ順調に拡大したことが増収要因となった。
業態別売上高の前期比増減率を見ると、ドラッグストアが5.6%増、ホームセンターが5.1%増、ディスカウントストアが4.7%増、GMSが1.6%増、その他が2.8%増となり、唯一、SMだけ1.6%減となった。
ドラッグストアでは主力顧客となるツルハホールディングスを筆頭に全般的に売上げが拡大した。
ホームセンターも主要顧客が総じて伸びたことに加えて、同社顧客であるDCMホールディングス (T:3050)がケーヨー (T:8168)を2017年1月にグループ化し、仕入ルートの統合を進めたことも増収要因となった。
ケーヨーはほとんど同社と取引がなかったためだ。
ディスカウントストアではドンキホーテホールディングス (T:7532)向けが引き続き好調に推移した。
SMに関してはここ数年のドラッグストアの台頭により業界全体が縮小傾向になっていることが減収要因となっている。
なお、高成長が続いているEC業界向けに関してはその他に含まれている。
売上構成比は全体の2%弱とまだ小さいものの、越境EC事業者向けも含めて2ケタ台の高成長が続いている。
商品カテゴリー別売上高の前期比増減率を見ると、Health&Beautyが6.2%増となったほか、トイレタリー商品が3.5%増、紙製品が0.8%増、家庭用品が4.6%増、ペット用品が4.7%増、その他が2.5%増とすべてのカテゴリーで増収を達成した。
特に、Health&Beautyについてはインバウンド需要が引き続き旺盛だったこともあり、子会社のファッションあらたも含めて好調に推移した。
ペット用品については子会社のジャペルに商流の一本化を進めており、ペット用品市場の拡大もあって増収基調が続いている。
また、販売単価についてもメーカーの販売戦略が高単価品にシフトしていることもあって、各カテゴリーで上昇している。
Health&Beautyでは高単価のヘアケア商品やオーラルケア商品が好調だったほか、トイレタリーでは洗剤・柔軟剤の大容量品、高濃度の殺虫剤、家庭用品ではラップやホイルの長尺品などの販売が伸張した。
ペット用品については、高単価のプレミアムフードが伸びており、平均単価を押し上げている。
営業利益の増益要因は、増収効果に加えて売上総利益率が前期比0.06ポイント上昇したこと、販管費率が同0.09ポイント低下したことによる。
売上総利益率の改善は、主要取引先において活動基準原価計算を徹底したこと、また、取扱商品の単価アップに取り組んだことなどが寄与している。
販管費率の改善要因を見ると、荷造発送費率は2017年3月に稼働を開始した越谷センター(埼玉県)の立ち上げ費用や運賃の値上げなどにより、前期比0.03ポイント上昇したものの、人件費率が同0.06ポイント、その他経費率が同0.06ポイント低下したことが改善要因となった。
なお、受託物流事業については取引量が拡大したものの、一部の物流センターの増床に伴う費用増などが影響して、利益ベースでは若干の減益となった。
ただ、全体の業績に与える影響は軽微であった。
また、営業外で金融収支が前期比117百万円改善したほか、特別損益も固定資産売却益等の計上により同608百万円改善した結果、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率は30.8%増と営業利益の増益率よりも大きくなった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
1. 2018年3月期業績の概要
あらた (T:2733)の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.0%増の732,914百万円、営業利益が同19.9%増の8,857百万円、経常利益が同20.4%増の9,439百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.8%増の6,361百万円となり、売上高、各利益ともに会社計画を上回り、過去最高を更新した。
売上高は、ドラッグストア業態の主要顧客先が出店数を拡大していることや消費マインドが堅調だったこと等により、化粧品や日用品などすべての商品カテゴリーが増収となったほか、子会社のジャペル、ファッションあらたもそれぞれ順調に拡大したことが増収要因となった。
業態別売上高の前期比増減率を見ると、ドラッグストアが5.6%増、ホームセンターが5.1%増、ディスカウントストアが4.7%増、GMSが1.6%増、その他が2.8%増となり、唯一、SMだけ1.6%減となった。
ドラッグストアでは主力顧客となるツルハホールディングスを筆頭に全般的に売上げが拡大した。
ホームセンターも主要顧客が総じて伸びたことに加えて、同社顧客であるDCMホールディングス (T:3050)がケーヨー (T:8168)を2017年1月にグループ化し、仕入ルートの統合を進めたことも増収要因となった。
ケーヨーはほとんど同社と取引がなかったためだ。
ディスカウントストアではドンキホーテホールディングス (T:7532)向けが引き続き好調に推移した。
SMに関してはここ数年のドラッグストアの台頭により業界全体が縮小傾向になっていることが減収要因となっている。
なお、高成長が続いているEC業界向けに関してはその他に含まれている。
売上構成比は全体の2%弱とまだ小さいものの、越境EC事業者向けも含めて2ケタ台の高成長が続いている。
商品カテゴリー別売上高の前期比増減率を見ると、Health&Beautyが6.2%増となったほか、トイレタリー商品が3.5%増、紙製品が0.8%増、家庭用品が4.6%増、ペット用品が4.7%増、その他が2.5%増とすべてのカテゴリーで増収を達成した。
特に、Health&Beautyについてはインバウンド需要が引き続き旺盛だったこともあり、子会社のファッションあらたも含めて好調に推移した。
ペット用品については子会社のジャペルに商流の一本化を進めており、ペット用品市場の拡大もあって増収基調が続いている。
また、販売単価についてもメーカーの販売戦略が高単価品にシフトしていることもあって、各カテゴリーで上昇している。
Health&Beautyでは高単価のヘアケア商品やオーラルケア商品が好調だったほか、トイレタリーでは洗剤・柔軟剤の大容量品、高濃度の殺虫剤、家庭用品ではラップやホイルの長尺品などの販売が伸張した。
ペット用品については、高単価のプレミアムフードが伸びており、平均単価を押し上げている。
営業利益の増益要因は、増収効果に加えて売上総利益率が前期比0.06ポイント上昇したこと、販管費率が同0.09ポイント低下したことによる。
売上総利益率の改善は、主要取引先において活動基準原価計算を徹底したこと、また、取扱商品の単価アップに取り組んだことなどが寄与している。
販管費率の改善要因を見ると、荷造発送費率は2017年3月に稼働を開始した越谷センター(埼玉県)の立ち上げ費用や運賃の値上げなどにより、前期比0.03ポイント上昇したものの、人件費率が同0.06ポイント、その他経費率が同0.06ポイント低下したことが改善要因となった。
なお、受託物流事業については取引量が拡大したものの、一部の物流センターの増床に伴う費用増などが影響して、利益ベースでは若干の減益となった。
ただ、全体の業績に与える影響は軽微であった。
また、営業外で金融収支が前期比117百万円改善したほか、特別損益も固定資産売却益等の計上により同608百万円改善した結果、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率は30.8%増と営業利益の増益率よりも大きくなった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)