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ソルクシーズ Research Memo(3):通期では2期ぶりの営業増益に転じる見通し

発行済 2018-11-26 15:03
更新済 2018-11-26 15:20
ソルクシーズ Research Memo(3):通期では2期ぶりの営業増益に転じる見通し
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■業績動向

1. 2018年12月期第3四半期累計業績の概要
ソルクシーズ (T:4284)の2018年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比10.5%減の9,448百万円、営業利益で同17.2%減の234百万円、経常利益で同47.5%減の239百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同67.3%減の86百万円と減収減益決算となった。


売上高については、主力のソフトウェア開発事業が金融業界向け大型開発案件の一巡や、子会社で予定していた大型案件の期ずれが続いたことにより、前年同期比11.7%減の9,122百万円と2ケタ減収となったものの、アミューズメント施設向け設備工事の回復により、デジタルサイネージ事業は同42.5%増の325百万円と増収となった。


また、営業利益はソフトウェア開発事業が前年同期比14.3%減の251百万円、デジタルサイネージ事業が18百万円の損失(前年同期は10百万円の損失)となった。
ソフトウェア開発事業では前期から継続している金融業界向け不採算プロジェクトの影響が残り、本体の利益は減益となったものの、自動車業界向け開発コンサルティング業務や証券バイサイド向けシステム開発ツールなど子会社で展開する一部の事業は好調に推移した。
一方、デジタルサイネージ事業に関しては増収となったものの、外注費の増加により損失額が若干拡大した。


販管費が前年同期比4.9%増となったが、主にエンジニアの採用費増や内部管理体制強化のためのコスト増が要因となっている。
また、営業外では前年同期に計上した投資事業組合運用益144百万円が当期は無く、結果、経常利益の減益率が大きく拡大することとなった。


子会社別の損益動向を見ると、自動車業界向け開発コンサルティングが好調なエクスモーション、証券バイサイド向けシステム開発ツールが好調なコアネクストが増収増益となった一方で、主力商品の入れ替えが一巡したノイマンや受託開発案件の期ずれが影響したイー・アイ・ソルが減収減益となるなど、明暗が別れる格好となっている。
ただ、イー・アイ・ソルについては当第4四半期に同案件の売上げを計上する予定になっており、通期では増収増益が見込まれている。


2. 2018年12月期業績見通し
2018年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比2.9%減の13,600百万円、営業利益で同21.8%増の610百万円、経常利益で同10.7%減の610百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.1%減の390百万円と期初計画を据え置いている。
第3四半期までの進捗率は売上高で69.5%、営業利益で39.2%と低いものの、前述した金融業界向け不採算プロジェクトや子会社で抱える期ずれ案件の売上げが当第4四半期に計上されることで、計画を達成する見込みとなっている。


不採算プロジェクトの状況について見ると、開発は既に完了している状況だが、収支面での調整が長引いている。
このため、当該プロジェクトに関しては売上計上しておらず、仕掛品として計上されている。
当第3四半期末の仕掛品が前期末比で524百万円増加しているが、増加分の大半は同プロジェクトに関するものと見られる。
同社の見込みでは当期末までに調整が収束し、売上計上される予定となっているが、2019年以降にずれ込むようだと業績の下振れ要因となる可能性がある。
また、当該顧客に関しては第2期プロジェクトの開発も既にスタートしており、2019年12月期は利益面での貢献が期待されている。


なお、SI/受託開発業務の受注動向について見ると、証券業界向けについては低迷が続きそうなものの、大型開発案件が一巡した銀行向けについては、小型ではあるものの案件数が増えつつあり持ち直しの気配が見え始めてきた。
また、クレジット業界向けについても不採算プロジェクトを除けば、セキュリティ対策の強化やQRコード決済対応等、新たなシステム開発需要が出てきており、受注も順調に推移している。
一方、需要に見合うだけのエンジニアの確保や外注パートナーの掘り起しが引き続き経営課題となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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