日経平均は大幅続落。
337.37円安の20413.91円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。
7日の米株式市場でNYダウは続落し、220ドル安となった。
欧州委員会がユーロ圏の経済成長率見通しを下方修正したことで欧州株が全面安となり、米国株も売りが先行。
クドロー国家経済会議(NEC)議長が米中交渉の合意まで「距離がある」との見方を示したほか、トランプ大統領も3月1日の期限までに中国の習近平首席と会うことはないだろうと語り、米中合意への期待が後退した。
本日の日経平均も欧米株安の流れを引き継いで240円安からスタートすると、前場中ごろを過ぎて一段安となり、20353.40円(397.88円安)まで下落する場面があった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の8割強となっている。
個別では、トヨタ自 (T:7203)、武田薬 (T:4502)、ソフトバンク (T:9434)などが軟調で、ソフトバンクG (T:9984)や任天堂 (T:7974)は小安い。
米株式市場と同様にキーエンス (T:6861)、東エレク (T:8035)、村田製 (T:6981)といったハイテク株の下げが目立った。
ZOZO (T:3092)は9%近い下落。
「Uアローズ (T:7606)がインターネット通販サイトの運営を自社運営に切り替える」などとの報道が売り材料視されたようだ。
決算発表銘柄ではニコンなどが急落。
また、新たな施工不良が発覚したレオパレス21 (T:8848)はストップ安水準での売り気配となっている。
一方、取引開始前に自社株買い実施を発表したソニー (T:6758)が4%超高と急反発。
ファーストリテ (T:9983)は小高い。
決算発表銘柄ではテルモ (T:4543)や富士フイルム (T:4901)、明治HD (T:2269)が大きく買われた。
また、PS三菱 (T:1871)やウィルG (T:6089)はストップ高水準まで急伸した。
セクターでは、全33業種がマイナスとなり、機械、海運業、石油・石炭製品、金属製品、非鉄金属が下落率上位だった。
欧州経済の減速懸念や米中通商合意への期待後退を背景に欧米株が下落し、日経平均もこうした流れを引き継いで連日で3ケタの下落となっている。
21000円レベルでの上値の重さが意識されていただけに、目先の上げ一服とみた短期筋からの先物売りが出ているもよう。
前引けにかけての一段安で、日足チャート上では下値支持線と目されていた25日移動平均線を割り込んでおり、目先の利益を確定する売りが広がる可能性がある。
3連休を控え積極的な買いが入ることも期待しづらく、後場の日経平均は軟調に推移しそうだ。
企業決算では業績の底入れ期待が広がったテルモや2ケタ営業増益を確保した富士フイルムが評価されているものの、引き続きニコンなど輸出関連を中心にネガティブ視されるものが少なくない。
2018年4-12月期決算発表では日経平均の予想EPS(1株当たり利益)拡大が足踏み。
日経平均21000円レベルは従来、アベノミクス相場で予想PER(株価収益率の)のレンジ下限となっていた12倍程度に当たる。
今度は「上値めど」との見方が強まるか、今後の推移を見極めたい。
(小林大純)