12日の日本株市場は、模様眺めムードが強いものの、買い優勢の相場展開が意識されそうだ。
11日の米国市場はNYダウ、ナスダックともに下落。
3月生産者物価指数の上振れといった経済指標の結果を受けて買いが先行したが、本格化する決算を前に模様眺めムードが強まっていた。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円高の21710円。
円相場は1ドル111円60銭台と円安に振れて推移している。
決算については日本も同様に今後本格化することから、模様眺めムードの強い相場展開であろう。
注目されていたファーストリテ (T:9983)と安川電 (T:6506)の決算については、ファーストリテの2Q営業利益はコンセンサスを上回っており買い先行の展開になろう。
安川電の前期着地及び今期見通しはコンセンサスを下回っているが、自社株買いの発表が下支えになりそうだ。
米中通商協議の進展期待や中国経済の過度な減速懸念が後退していることをみると、決算内容にかかわらず、新規のロングポジションは入らなくとも、ショートカバーは入りやすいだろう。
その他、米長期金利の上昇で、ゴールドマンサックスやJPモルガンなどの金融各社が堅調推移となったほか、円相場が円安に振れて推移していることが買い戻しを誘いやすい。
また、市場反応は限られていたが、欧州連合(EU)が英国の離脱期限を10月31日まで再延期することを決めたことで、日本の10連休中における過度な波乱に対する警戒感は和らぎ、リスク回避姿勢が後退する可能性がある。
その他、連休を前にキャッシュ化からロングポジションを減らす局面もあろうが、リスク回避姿勢が和らぐことによって、売り込まれている銘柄などへは押し目拾いの動きも増えてくるとみられ、これまで以上に底堅さが意識されてくる可能性も期待されるところである。
12日の米国市場ではJPモルガンやウェルズ・ファーゴの決算が予定されており、決算発表が本格化する。
まずは両社の出足が安心感につながるようだと、日本の10連休中にピークを迎える米決算に対しても過度な警戒が和らぐことも考えられよう。