以下が本日の米国市場で注目される3ポイントである。
1.インテルの通期見通し引き下げによる下落、米株式市場を揺らす
インテル(NASDAQ:INTC)が決算で通期見通しを下方修正した後、時間外取引で同社株価は下落した。本日の株式市場ではこの流れによってナスダックや ダウに影響が出るだろう。
インテルは1-3月期決算では一株当たり利益(EPS)と売上高ともに予想を上回ったが、4-6月期の業績見通しでは予想EPSは89セント、予想売上高は156億ドルになる見込みとした。S&P Capital IQの予想EPSは1.02ドル、予想売上高168億8000ドルと比較すると大きくかけ離れている。
半導体セクターのエヌビディア(Nvidia) (NASDAQ:NVDA)や、AMD(Advanced Micro Devices) (NASDAQ:AMD)、マクロン(Micron) (NASDAQ:MU)は時間外取引で下落した。
一方、アマゾン(Amazon)(NASDAQ:AMZN) の1-3月期決算(Q1)では売上高は予想と一致したが、EPSは予想を上回っていた。しかし、業績見通しでは利益の伸びが鈍化する可能性を示唆し、時間外取引の株価の上昇は限定的であった。
2. 1-3月期の米GDP
米政府は日本時間午後9時30分に1-3月期の実質GDP(速報)を発表する。
市場予想では、GDPは前期比年率2%増であると予想されている。
10-12月期のGDPの2.2%から0.2%の減少見込みであるが、これは政府機関一部閉鎖の影響も考えられる。
インフレに目を向けると、食料とエネルギーを除く個人消費支出(PCEコア)は1.3%上昇し、10-12期の1.8%から低下すると予測されている。
3. 石油大手企業の決算報告
本日は銀行銘柄やテクノロジー銘柄で注目するものは特にないが、大手石油企業の決算報告がある。
原油価格が上昇している中で、エクソンモービル(ExxonMobil)(NYSE:XOM)とシェブロン(Chevron)(NYSE:CVX)の決算報告は本日の寄付き前に発表される。
エクソンモービルの予想ESPは72セント(前年同期1.09ドル)、予想売上高は前年同期比1.86%増で694億7000万ドルと予想されている。
エクソンモービルは、テキサス州西武とニューメキシコ州の東南部にあるパーミアン盆地への投資を拡大してきた。同社の株は、2018年では18.5%下落した後、2019年では年初より約21%上昇している。
シェブロンの予想EPSは1.28ドル(前年同期1.90ドル)、予想売上高は変わらず378億ドルに留まる見通し。株価は年初より8.4%上昇している。
シェブロンは同業のアナダルコに対して330億ドルの買収案を提示していた。しかし、今週にオキシデンタル(NYSE:OXY)が380億ドルの買収提案をしシェブロンに対抗している。
消費財大手のコルゲート・パーモリーブ(Colgate-Palmolive)(NYSE:CL) の決算報告も寄付き前に控えている。
予想EPSは前年比11%減で66セント、 予想売上高は前年同期比3.3%減38億7000万ドルとみられている。
コルゲートやP&G(NYSE:PG)のような企業はドル高の圧力を受けている。しかしこれらの企業の株価は年初来15%以上上昇している。
アメリカン航空(NASDAQ:AAL)の決算報告の予想EPSは52セント(前年同期75セント)、予想売上高は前年同期比1.9%増の106億1000万ドルとみられている。
燃料価格の上昇が業績に与える影響が注目ポイントである。また、ボーイング(NYSE:BA)737 MAX機の墜落事故後の運休がどのように決算に影響するかも注目だ。
本日に他に決算報告が予定されている企業はWeyerhaeuser (NYSE:WY),、Archer-Daniels-Midland (NYSE:ADM)、Goodyear Tire & Rubber (NASDAQ:GT)、ソニー (NYSE:SNE)などがある。
来週はテクノロジー銘柄で注目の決算報告がある。Googleの親会社Alphabet(NASDAQ:GOOGL)が月曜日の大引け後、Apple(NASDAQ:AAPL)が火曜日の大引け後に決算報告がある。