17日の金価格はほぼ横ばいで取引されており、週初めに記録した1300ドル台を大きく下回っている。
日本時間午後5時14分時点におけるニューヨーク商品取引所(COMEX)の6月限金先物価格は0.11%高の 1,287.65ドルとなっている。
米中貿易摩擦が激化する中、週初めの金価格は1300ドルを上回った。しかし、その後の米国株式市場の強い反発により投資家のリスク選好が回復したことを受けて、下落に転じた。
昨夜公開された米経済指標は金にとって売り材料となった。
米失業保険新規申請件数は21万2000件となり先週から減少した。このことは、米中貿易摩擦にも関わらず、米国経済が堅調であることを示している。
4月の米住宅着工件数は予想を上回り、前月比5.7%増の123万5000件となった。
米経済指標の公開を受け、米ドルは2週間ぶりの高値を一時記録した。このことは金にとって下押し圧力となっている。
「金は過去数日間で何度も1300ドルをテストしたが、抵抗を受けて失敗したようだ。1300ドル台を上回った場合、売りとなるのは確実だろう」とキャピタル・エコノミクスのアナリストであるRoss Strachan氏は述べた。
米政府が中国の通信機器大手であるファーウェイ(華為技術)を禁輸リストへ追加したとの報道は、金価格を下支えした。
15日、米商務省はファーウェイと関連会社70社について、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」への正式な追加を発表した。