7日の日本株市場は、米株高の流れを受けて買い先行となろうが、買い一巡後は次第にこう着感が強まりそうである。
6日の米国市場では、NYダウが311ドル高と反発した。
中国人民銀行が為替操作を否定し、人民元売買の基準値を元高に設定したことから米中貿易摩擦の懸念が後退。
また、クドロー国家経済会議議長が中国側による9月の訪米を想定していると発言し、米中交渉の継続期待から買い戻しの流れとなった。
この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比95円高の20625円。
円相場は1ドル106円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行となろう。
米中の貿易摩擦に対する懸念がいったん和らぎ、投資家の打診的な買いを後押しする流れが意識されそうだ。
しかし、昨日の段階で日経平均は2万円割れ寸前から一時20600円台を回復する局面をみせており、インデックスに絡んだショートカバーが中心とは言え、さらに買い上がる流れにはなりづらいところではある。
米国では一先ず米中交渉の継続期待から買い戻しの流れとはなったが、先行きの不透明感は根強く、市場は疑心暗鬼といったところである。
もっとも、決算発表がラッシュとなる中で、決算内容を評価した流れや、決算発表がきっかけとなり買い戻しの流れをみせる銘柄などもみられており、日経平均の乱高下の中でも投資家の冷静さは見受けられる。
資金の逃げ足は速いだろうが、短期的な値幅取り狙いの資金は流入しやすいだろう。
また、NTT (T:9432)は、5300万株、3000億円を上限とする自社株買いを発表した。
決算内容はコンセンサスを若干下回っているが、自社株買いを材料視した展開が期待されるところである。
そのほか、SANKYO (T:6417)、ケーズHD (T:8282)、テーオーシー (T:8841)が自社株買いを発表しており、関心が集まりそうだ。
その他、決算評価ではタカラバイオ (T:4974)、JVCKW (T:6632)、メディカルシス (T:4350)、芝浦 (T:6590)、沢井製薬 (T:4555)、ブランジスタ (T:6176)、アイホン (T:6718)、りらいあ (T:4708)、ワークマン (T:7564)辺りが注目されよう。
なお、チャート形状では日経平均の2万円手前での長い下ヒゲを残しての陽線形成となり、ボトム形成が意識されやすいところではある。
とは言え、米中摩擦の長期化が警戒される中では、外部環境の行方を見極める必要があるため、ボトムというよりは、今後も値動きの荒い相場展開に備えておいた方が良さそうである。