[ニューヨーク 14日 ロイター] - 今週は米製造業大手が発表する第3・四半期決算が注目される。米経済の足腰の強さと米中通商紛争の影響を見極める重要な材料を投資家に提供するためだ。
S&P工業株指数 (SPLRCI)はS&P総合500種 (SPX)の10%弱にすぎないが、経済の見通しという点で影響力は大きい。経済活動のバロメーターとなる大手多国籍製造業や輸送会社などを含むためだ。四半期決算を今週発表するのはハネウェル・インターナショナル (N:HON)、テクストロン (N:TXT)、ユニオン・パシフィック (N:UNP)、CSX (O:CSX)など。
リフィニティブのIBESデータによると、S&P工業株指数に組み入れられた企業の第3・四半期は前年同期比で0.7%の増益と予想されている。S&P総合500種全体では3.2%減益の見通しだ。
セクター別では情報技術株やエネルギー株、素材株が減益予想。また全般に、前年同期の大型法人税減税のプラス効果が、今期ははく落する。
ホライズン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「今回の四半期決算は各社にとって極めて重要になる」とし、経済全体が実際に悪化しているのか、株価に影響するほどの悪化か、といったシグナルを得るために注視されると指摘した。
S&P工業株指数は年初来で19%超上昇。上昇率はS&P総合500種の18.5%を若干上回っている。だが、S&P総合500種が今年、過去最高値を更新したのに対し、S&P工業株指数は2018年序盤のピークより約5%低い水準にある。
投資家は第4・四半期と来年の業績見通しにも注目している。リフィニティブによると、来年の工業株は16.2%増益、S&P500種全体では11.1%の増益と見込まれている。
チャールズ・シュワブ・インベストメント・マネジメントのオマー・アギラー最高投資責任者(CIO)は来年の大幅な増益見通しは景気後退の回避が前提と指摘。各社にとり設備投資を拡大するかどうかが決定的要素であり、これは米中通商紛争の行方によって事業環境の確実な見通しが描けるかどうかによると述べた。
またアボット・ダウニングのキャロル・シュレイフCIOは、決算発表時の電話会見で出荷や設備投資や雇用などに対する米中通商紛争の影響についてのコメントを傾聴したいと話した。