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エリアリンク Research Memo(10):2020年12月期は、実力ベースの営業増益を達成できるかがポイント

発行済 2019-10-23 15:10
更新済 2019-10-23 15:21
© Reuters.  エリアリンク Research Memo(10):2020年12月期は、実力ベースの営業増益を達成できるかがポイント

■今後の見通し2. 2020年12月期の考え方2019年12月期について上振れ幅が市場の期待値よりも小さくなる可能性を指摘したが、そのことは2020年12月期の業績動向を考えた場合、決してマイナスではないと弊社では考えている。

中期成長戦略の項で掲げたグラフにあるように、エリアリンク (T:8914)の2019年12月期の営業利益は2つの一過性要因(不動産ファンドへの物件売却と自社保有不動産の売却)によってかさ上げされており、実力ベースの営業利益は17億円(営業利益予想28億円をベースにした場合。

上振れた場合はここが拡大することになる)というのが同社自身の認識だ。

それに対して2020年12月期はこうした一過性要因がないなかで営業利益の前期比増益を目指すことになるため、そのハードルは決して低くはない。

同社が2019年12月期の不動産再生・流動化サービス(底地事業)セグメントの収益見通しを下方修正した背景にはこうした要因もあると弊社では考えている。

弊社としてここで注意喚起しておきたいことは、2020年12月期の正式な業績予想が発表されるのは2020年2月の本決算発表時になるが、その際に前期比減益の営業利益見通しが発表される可能性があるということだ。

その際には報告ベースでの営業利益増減ではなく、一過性要因を除いた実力ベースの営業利益の増減で評価することがより重要なのは言うまでもない。

反対に、2020年12月期においても新たな一過性要因が現れて営業利益を押し上げる可能性もゼロではない。

その場合にはやはりそれを除いたベースで評価することが必要だ。

中期成長戦略の項で述べたように、同社は現在、外部環境の変化に影響されない強靭な収益体質への転換に取り組んでいる。

2019年12月期−2020年12月期はその正念場に当たる年であり、同社を評価する軸は表面的な業績ではなく、目指したことをぶれずにやり遂げられるかという点にあると弊社では考えており、それゆえに前述のように実力ベースの利益の変化をより重視すべきと考えている。

この点は投資家のみならず同社自身も同様だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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