[アムステルダム 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は、ユーロ圏の金利は何年にもわたって歴史的低水準にとどまる可能性があるが、ECBの超緩和政策は逆効果となるリスクをはらんでいると警告した。23日付のオランダのフォルクスクラント紙に掲載されたインタビューで述べた。
「先のことは分からないが、現在の低金利環境があと5年続く可能性は否定できない」としたうえで、「これを懸念している。一時的な低金利は、永続的な低金利とは全く異なるものだからだ」と述べた。
同総裁は、現在の低金利によって投資家が過剰なリスクを取るようになる一方、より若い世代は貯蓄を増やし続けなくてはならないと感じるようになる可能性があると指摘、「これはマクロ経済的な観点から好ましくない」と語った。
さらに「低金利が墓穴を掘る結果になりかねないという例でもある。低金利への対応として人々が貯蓄を増やし始めれば、インフレにさらに下方圧力がかかる」と述べた。
同総裁はこれまで頻繁にECBの超緩和政策を批判してきており、今年9月にECBが新たな金融緩和策を打ち出した際にも、「資産買い入れを含むこの包括的な緩和策は経済の現状にそぐわず、効果に疑問を呈する妥当な理由が存在する」と批判していた。[nL3N2642BQ]
同総裁は繰り返しECBの政策の戦略的な見直しに期待を表明するとともに、より柔軟なインフレ目標の導入も提唱している。
同総裁はインタビューで「低金利のプラスの効果とマイナスの効果のバランスが、間違った方向に傾きつつある」と懸念を示し、「したがって、行く行くはある時点においてわれわれの金融政策を見直す必要がある」と語った。