■業績動向1. 2020年3月期第2四半期業績概要EMシステムズ (T:4820)の2020年3月期第2四半期業績は、売上高7,086百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益964百万円(同34.3%減)、経常利益1,283百万円(同28.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益862百万円(同28.0%減)となった。
期初の半期予想からは、売上高で8.8%増、営業利益で35.6%増とともに上回る結果である。
売上高が好調に推移したのは、消費税増税やWindows7のサポート終了によるハードリプレイスの駆け込み需要の影響が大きかった。
また、調剤システム、医科システムともに課金売上が順調に増加した。
営業利益に関しては、当初からの戦略どおりハードウェア提供方法の変更に伴う粗利の減少により減益となった。
2. 事業別概要(1) 調剤システム事業及びその関連事業調剤システム事業及びその関連事業は、売上高は5,484百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は960百万円(同29.6%減)と増収減益となった。
サービス別に売上高を見ると、初期売上2,104百万円(同4.2%増)、課金売上1,970百万円(同1.9%増)、サプライ売上1,076百万円(同5.5%増)、保守売上332百万円(同14.9%増)といずれのサービスも前年同期を上回った。
初期売上は、ハードウェア提供方法変更による初期費用の減少が予想されたが、消費税増税などに起因する駆け込み需要や大手チェーン店獲得による販売件数の大幅な増加により増収となった。
(2) 医科システム事業及びその関連事業医科システム事業及びその関連事業は、売上高924百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益94百万円(同22.2%減)と増収減益となった。
サービス別に見ると、初期売上458百万円(同6.4%増)、課金売上270百万円(同16.3%増)、サプライ売上49百万円(同6.0%増)、保守売上145百万円(同9.7%減)である。
MRNの新規導入、他社リプレイスによる顧客数の着実な増加により、特に課金売上が順調に伸びている。
(3) その他の事業(介護システム事業)その他の事業は、売上高729百万円(前年同期比42.2%増)、営業損失139百万円(前年同期は17百万円の損失)となった。
そのうち介護システム事業は、M&Aを行ったことで積極的な事業戦略の展開が可能となった。
介護システム事業をサービス別に見ると、初期売上33百万円、課金売上25百万円、サプライ売上0百万円、保守売上162百万円となっている。
現在は保守売上が中心だが、新規顧客が増加するに従い、課金売上が増加することが見込まれる。
薬局経営事業は調剤報酬及び薬価改定の影響を受けたが、売上高、営業利益とも前年同期を上回って推移している。
現預金80億円超え。
無借金経営に近く極めて高い財務の安全性3. 財務状況と経営指標2020年3月期第2四半期末における総資産は前期末比818百万円増の23,169百万円となり資産規模が拡大した。
そのうち流動資産は同678百万円増の11,608百万円であり、現金及び預金の増加が主な要因である。
固定資産は、同140百万円増の11,561百万円であり、無形固定資産(ソフトウェア仮勘定)の増加が主な要因である。
現金及び預金残高は8,159百万円であり余裕がある。
負債合計は同284百万円増の6,017百万円。
そのうち流動負債は同419百万円増の4,084百万円であり、保守サービスにかかる前受収益等が増加したことにより「その他流動負債」が同519百万円増加したことが主な要因である。
固定負債は同134百万円減の1,933百万円であり、製品保証引当金及び長期借入金の減少が主な要因である。
純資産は、同533百万円増の17,152百万円であり、堅調な業績により利益剰余金が増加したことが主な要因である。
経営指標について見ると、自己資本比率が73.5%と非常に高く、中長期的な財務の安全性は高く評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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