■中長期の成長戦略● 人材・設備への投資を積極的に行い、安定した企業としての足場を固める天昇電気工業 (T:6776)は特に中期経営計画等は発表していないが、以下のような目標を掲げて、必要な施策を実行していくと述べている。
(1) 持続的な成長が可能な企業体質への足場固め人材の採用を積極的に行い、設備への投資も継続する。
キャッシュ・フローが安定してきたことから、増産投資だけでなく、機械の入れ替えなどの更新投資も積極的に行う考えだ。
(2) 内需型の製品を拡充し、自動車向けの比率を下げる現在は売上高の約60%が自動車向けとなっているが、この比率を約35%程度までにすることを目標としている。
これは、自動車向けの売上高を減らすのではなく、内需型の製品を拡充して全体の売上高を増加させることで、相対的に自動車向けの比率を下げようというものだ。
その代表的な製品が、既述の雨水貯留浸透資材である。
既に少しずつだが市場に浸透しつつあるが、加えて昨今の台風による洪水被害の影響で、各自治体において「雨水の貯留」に対する考えが高まることが予想され、長期的な視点から同社製品にとっては追い風となるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)