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サン電子 Research Memo(3):M2M、AR関連、O2Oなどの新規事業の収益化にも取り組む

発行済 2020-01-17 16:23
更新済 2020-01-17 16:41
© Reuters.  サン電子 Research Memo(3):M2M、AR関連、O2Oなどの新規事業の収益化にも取り組む

■サン電子 (T:6736)の事業概要2. エンターテインメント関連事業遊技機メーカーに販売する制御基板等の遊技機部品及びパチンコホール経営を支援するトータルコンピュータシステムを取り扱っている。

遊技機部品は、デジタル技術やグラフィック表現力を駆使し、パチンコ・スロットの演出などを行う制御基板や液晶基板等を主力としている。

基板製造は協力会社に委託し、最終組立、検査を子会社のイードリームで行う。

パチンコ機がヒットするかどうかは、制御基板による音や描写、映像などの演出にかかっており、創造性豊かな企画力や開発力によるところが大きい。

同社はゲーム開発で培ったノウハウをパチンコ開発でも生かしている。

また、パチンコホールの経営に必要な遊技機の出玉情報や売上、景品、顧客などの情報をリアルタイムで収集、分析するトータルコンピュータシステムの企画、開発、販売も行っている。

加えて、来店客が遊技機を選ぶために必要となる情報を提供する台上演出パネル「PREVO」を販売するなど、パチンコホールの経営を支援する新しい商品の企画、開発、販売も手掛けている。

顧客からの様々な要望に柔軟に対応してきた開発力が強みとなっている。

業界シェアでは、ダイコク電機 (T:6430)が約35%のシェアを握る最大手で、同社は10%弱の3番手グループに位置する。

ただし、低貸玉営業による収入の伸び悩みや遊技人口の減少などに加えて、遊技機の規制(射幸性の高い機種の入れ替え)の影響が重なり、パチンコホールの収益環境は一段と厳しいものになっており、同社業績も下降線をたどっている。

同社は、業界環境の悪化に伴うリスクを最小限に抑えながら、生産性向上や管理遊技機への転換に向けた対応など市場変化への対応を進め、安定した収益を稼ぐ事業構造改革に取り組んでいる。

3. 新規IT関連事業M2Mデジタル通信機器を中心としたM2Mのほか、AR関連やO2Oソリューションなど新規事業によって構成される。

ただ、売上高はM2Mが大部分を占めている(AR関連は実証実験段階であり、O2Oソリューションもまだ立ち上がったばかりである)。

損益面では、まだ投資フェーズにある事業が多いことから費用が先行している。

M2Mでは、施設・設備の稼働状況などをモバイル回線で送受信する通信機器「Rooster」の開発、製造、販売を行う。

同社製品の特長は、通信モジュールとパソコンの機能を一体化したことで汎用性を高めているところにある。

気象観測システムや太陽光発電、セキュリティ関連、在庫管理など幅広い用途に採用されており、NTTドコモ (T:9437)の回線で利用されている3rdパーティ製製品でのシェアはトップの実績※1を誇る。

従来は、通信モジュールの売り切り型であったが、ソリューション提供型のストックビジネス(従量課金方式の収益モデル)への転換を図っている。

2015年1月にはイスラエルのBacsoft(2015年8月に連結子会社化)との連携によりIoTプラットフォーム※2のサービスを開始した。

通信機器(ハードウェア)だけでなく、システム部分の需要を取り込むことによるソリューション力の向上と売上高の拡大に狙いがある。

また、より簡単にIoT化を実現する「おくだけセンサーソリューション」※3についても2018年11月より販売を開始しており、今後の事業拡大に向けた切り札として期待される。

※1 モバイルルータ国内シェアNo.1の実績(出典:2017年発行。

テクノ・システム・リサーチ「国内モバイルM2M/IoT市場動向調査2016年度調べ」)。

※2 ペルーにおいて、サトウキビ畑の水がめやポンプ等の灌漑設備をIoT化し、水量データを収集するなどの実証実験を行っている。

※3 小型のセンサーデバイスをデータ(温湿度、磁気、加速度、照度など)を取得したい場所に置くだけで、より簡単にIoT化を実現するほか、IoTプラットフォームとの連携により、見える化、遠隔監視、遠隔制御などが可能となる。

また、新規事業として、AR関連やO2Oソリューションに取り組んでいる。

AR関連は、2015年4月に資本提携(持分法適用会社化)したInfinity AR社(現在は持分法適用会社から外れている)の開発プラットフォーム及び同年10月に業務提携したLumus Ltd.の高性能のディスプレイユニットとの連携により、3社の強みを生かした企業向け業務支援システム「AceReal」(メガネ型のウェアラブルコンピュータとAR技術を組み込んだ業務支援ソリューションシステム)を開発した。

なお、第1弾の「AceReal One」ではハードウェアのスペックの都合もあり、ARエンジンは同社のものを採用せず、マーカータイプのものを搭載している。

ハード性能の高さや独自のAR技術、優れたガイダンス性に特長があり、製造業、メンテナンス業、医療、教育などにおけるフィールド作業の効率化や安全対策、教育コンテンツなど、産業界の改善に特化した製品を開発しており、2019年2月から正式販売を開始した。

ただ、現時点では実証実験フェーズの採用にとどまっており、本格的な業績貢献には長期目線が必要である。

一方、O2Oソリューションは、飲食店向けにテイクアウト予約決済アプリ「iToGo(アイトゥーゴー)プラットフォーム」を展開している。

利用者にとっては事前予約で「待たずに購入できる」ところにメリットがあり、飲食店にとっても集客や売上アップはもちろん、店舗オペレーションの効率化や食材ロスの削減につながる。

まだ、業績貢献は小さいものの、既にサガミレストランツ(株)(サガミホールディングス (T:9900))や小僧寿し (T:9973)などで導入されており、着々と立ち上がってきている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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