[ニューヨーク 7日 ロイター] - 10日からの週の米株式市場では、一般消費財関連企業の決算や小売統計が、新型コロナウイルスによる消費者需要への影響を探る材料として注目される見通しだ。
S&P総合500種 (SPX)の一般消費財セクター (SPLRCD)は今年に入り約3.4%高と、情報技術 (SPLRCT)、公益事業 (SPLRCU)、通信サービスセクター (SPLRCL)に次いで良好なパフォーマンスとなっている。
しかし、決算発表で新型ウイルスの影響で業績が圧迫されるとの見通しが示されれば、同セクターのボラティリティーは高まる可能性がある。14日発表の1月の米小売売上高でもウイルスを巡る懸念が反映される可能性がある。
ボケー・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト最高投資責任者(CIO)は「前期比だけでなく前年比でも影響が出る可能性がある」と指摘。投資家の懸念につながるだろうとの見方を示した。
ロイター調査によると、アナリストの予想では1月の米小売売上高は、前月比0.3%増加する見通し。
10日からの週にはホテルチェーン大手ヒルトン・ワールドワイド (N:HLT)、スポーツ用品のアンダーアーマー (N:UAA)、カジノ運営のMGMリゾーツ (N:MGM)、オンライン旅行代理店エクスペディア (O:EXPE)などが決算を発表する。
一部の銘柄はすでにウイルスによる打撃を受けている。MGMの株価は感染拡大を受けたマカオのカジノ閉鎖で1月下旬に約10%下落した。ただ直近の週には2%超反発している。
中国で「KFC」や「ピザハット」などのファストフードレストランを展開するヤム・チャイナ・ホールディングス (N:YUMC)は最近、第1・四半期に営業損失を計上する見通しを明らかにした。新型コロナウイルス流行に伴う店舗閉鎖で、売上高や生産性が大きな打撃を受けるとしている。
コーヒーチェーン大手のスターバックス (O:SBUX)もウイルスの感染拡大が業績に響く可能性があるとの見通しを示している。
消費者関連セクターはウイルスによる世界のサプライチェーンの混乱などの影響を受けるとみられる。
アナリストは、オンライン販売を拡大している企業は比較的うまく混乱を切り抜けられるのではと指摘する。
TDアメリトレードのチーフ市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏は「大手がさらにリードを広げ、出遅れている企業はますます後れを取り、格差が拡大するだろう」と語った。
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